【バンコク=杉山理紗】東京オリンピック(五輪)を控えるU-23(23歳以下)日本代表は1-2でシリアに競り負け、1次リーグ敗退が決まった。

PKで先制を許した後、前半30分にMF相馬勇紀(22=名古屋)のゴールで同点に追いついたが、得点を狙いにいった終盤の後半43分にカウンターを防ぎ切れなかった。9日の第1戦サウジアラビア戦に続く連敗となった。

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まさかの1次リーグ敗退に森保監督の表情は険しかった。「先制点を許したが、勝利できたかもしれないという内容のところを落としている。勝負強さ、最後のところを詰めていかないといけない」と悔しさをにじませた。リオデジャネイロ五輪予選を兼ねた16年大会で優勝した成績とは対照的に今大会最速で姿を消した。自国開催でなければ、東京五輪の出場権も獲得できない屈辱的な結果だ。

立ち上がりに先制を許した後はペースを握ったはずだった。MF相馬の個人技で同点に追いついて後半へ。守備の時間帯でDFラインに6人を並べる相手守備を崩せず、敵カウンターに散った。相馬は「(シリアは)得点した後、泣いて地面にうずくまる選手がいた。全力で戦うと話しましたが、懸けているものが違うと身に染みました」と唇をかんだ。

既に五輪出場権を持つ日本には難しい大会だった。食野以外の国内組にとって今季開幕前の大事な期間。所属先で定位置を獲得できていない選手も多い。招集メンバーのうち、6人が今オフで移籍を決断。シーズン前に所属先を離れ、故障リスクの不安を抱えてトーナメントを戦うのは、精神的に難しかっただろう。

半年後には東京五輪本番を迎える。連敗を喫し、カタール戦には勝利を求められる。MF斉藤は「悔しいというより恥ずかしい思いでいっぱいです。日本代表の身として恥ずかしい。何としても勝ちたい」。日本の真価が問われる正念場となる。