サッカーのワールドカップ(W杯)カタール大会出場をかけたアジア最終予選で、日本代表は27日午後7時からホーム(埼玉スタジアム)で中国と対戦する。

テレビ朝日による地上波中継は約3カ月ぶり。アウェー戦はスポーツ専門配信サービスDAZN(ダゾーン)が独占配信しているため、地上波は昨年10月12日オーストラリア戦(埼玉スタジアム)以来となる。

サッカーファンだけでなく、目にした誰もが手に汗を握り、歓喜の瞬間を共有してきた最終予選。放映権料の大幅な高騰により、その場面は限られることになった。日本サッカー協会(JFA)の田嶋幸三会長(64)は、昨年11月のオンライン取材で「私たちは一貫して地上波での放送を希望してきた。すべてのひとが見られるものではないというのは残念」と思いを吐露していた。

今月25日にDAZNが発表した昨年のライブコンテンツ視聴数ランキングでは、トップ5は最終予選の日本代表戦が独占。W杯出場をかけた戦いへの注目度はやはり高いようだ。

DAZNが全放映権を獲得し、テレビ朝日はホーム5試合を地上波で放送する契約を結んだ。配信サービスが携帯などでも手軽に見られる利点がある一方で、日常の中で気軽に視聴し、誰もが貴重な瞬間に立ち会える、テレビならではの長所もある。偶然中継を目にした子どもが、代表戦士にあこがれ、サッカーボールを手にするかもしれない。サッカー界を盛り上げたいという思いは変わらないはずだ。