「ダル塾」ならぬ「三笘塾」だ。

コロンビア戦(28日、ヨドコウ)に臨む日本代表の合宿が26日、千葉市内で行われ、MF三笘薫(25=ブライトン)はDF菅原由勢、バングーナガンデ佳史扶に攻撃の組み立てなどを指導した。

WBCの侍ジャパンでチームを束ねたダルビッシュ有投手をほうふつさせる光景。チームの大黒柱として短期間でチームを良くしようとする意欲があふれ出ていた。

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24日のウルグアイ戦で先発したメンバーは、戦術練習を終えて早めに練習を切り上げた。そんな中、三笘は居残ると、DF板倉とともに、右サイドバック(SB)でA代表デビューしたDF菅原に動き出し、ボールの引き出し方などを身ぶり手ぶりで伝え始めた。その輪にMF堂安も入る。その後、練習を終えたMF久保、初招集で左SBが主戦場のDFバングーナガンデも駆けつけ、輪は広がった。

WBCで世界一になった侍ジャパンでダルビッシュが若手投手陣に指導し「ダル塾」が話題になった。サッカーでも、世界最高峰のプレミアリーグで9得点6アシストと主力を担う三笘を中心に、似た光景が広がった。

日本代表はサイドバックが内側に入り、ボールを保持しながら攻撃を組み立てる新オプションに取り組んでいる。初陣のウルグアイ戦は機能したとはいえなかった。練習後、バングーナガンデは「由勢君(菅原)が動き方の指導を受けていたので、聞きたいと(輪に)入った。サイドバックが中に入ったときの動き方、ブライトンでのやり方などを聞きました」。菅原も「互いが違うサッカーをしている中、代表でやろうとしていることをどう落とし込めるか、話し合った。非常に有意義な時間だった」と目を輝かせた。

今回の活動で「主将」は置いていない。DF吉田らベテランが招集外の中、W杯カタール大会で輝いた三笘、板倉が中心になり、積極的に若手とコミュニケーションを図り、チームの課題に向き合っている。新生森保ジャパンは始まったばかりだが「ワンチーム」になりつつある。【岩田千代巳】