【ドーハ16日=佐藤成】今夏のパリ五輪(オリンピック)出場を目指すU-23(23歳以下)日本代表が、難敵の中国を1-0で退け、初戦を10人で白星発進した。

「想定内の想定外」だった。1-0の前半17分にDF西尾隆矢(22=セレッソ大阪)が退場。70分以上数的不利での戦いを強いられた。右サイドで先発するも、西尾の退場直後に一時的にCBも務めた関根大輝(21=柏レイソル)が明かす。

「昨日の練習でも一応退場したことを想定して、セットプレーだったり、そういうところはやっていたので、10人になっても、焦ることなく、相手の1本目のコーナーキックとかを見て、どこが危ないのかというのを中で声かけて集中できていたので良かった」

セットプレーだけでなく、流れの中でも10人での戦い方については共有されていた。「まさか起きると思っていなかったですけど」と笑いつつ、「一応想定外ではなかったですね」と振り返った。

西尾の退場直後のDFラインの並びは、ベンチからの指示を待つことなく、ピッチ内で決断した。DF木村誠二(22=サガン鳥栖)が投入されるまでは、左サイドバックにフィジカル的な強さを持つMF松木玖生(20=FC東京)を配置してしのいだ。代表経験がそう多くはない関根にとっても意義深い試合となった。

「1戦目でこの経験ができたことは、本当に次につながると思いますし、自分自身こういう戦いを(昨年9~10月の)アジア大会ではあまり経験できなかったので、すごく選手としての経験値も上がるなというのは、1試合目ですけど思いました」と手応えを示した。