J2東京ヴェルディの羽生英之社長(53)が16日、昨季限りでイタリア1部ローマを退団した元イタリア代表FWフランチェスコ・トッティ(40)の獲得を断念したと発表した。

 羽生社長は同日の湘南ベルマーレ戦後、報道陣の取材に応じた。その中で、日本側の代理人から14日午前7時にメールで「最終的に家族の了解が得られなかった」と連絡があったと明かした。イラリー・ブラージ夫人の反対が大きかったようだという。同社長は「1回も会えずに終わってしまった。チャンスを作ってくれと言っていたので、代理人には不満ですけど」と無念の思いを訴えた。

 スポンサー2人も協力を申し出ており、トッティの肖像権を管理する会社まで立ち上げ、肖像権で得た利益で、獲得の資金を募ったスポンサーに少しずつ返済するという計画まで出来ていたという。羽生社長は「トッティの獲得が決まった瞬間に、会社を立ち上げようと思っていた。弁護士や公認会計士に相談もした。やれることは全部やった」と語った。

 羽生社長は「ヴェルディのユニホームを着る、彼の姿を見たかった。明日でもイタリアに行こうと思っていた」と無念の思いを訴えた。それでも、今後の大物獲りの可能性について、羽生社長は「こういうやり方があるのも勉強になったと思って…チャンス、いい話があれば」と意欲を見せた。【村上幸将】