心意気を込めたスパイクでゴールを狙う。北海道コンサドーレ札幌は4日、札幌厚別公園競技場で明日6日の天皇杯2回戦(対MIOびわこ滋賀、札幌厚別)に向けて練習を行った。FWジェイ(36)が新調した金色のスパイクを着用して練習に参加。NO・1を連想させるカラーリングで、同杯や7月に再開するリーグ戦への覚悟を足もとから示す。

 太陽の日差しがまぶしい青空の下で、ジェイの足元が光り輝いていた。着用したスパイクはひもを含めた全面金色のド派手なデザインだった。手元に届いたばかりのこだわりの一品。「履きやすいよ」と笑顔を見せ、「金色というのがいい。チャンピオン、勝者の色だから好き」。得点を量産する“ゴールデンボンバー”となって、チームを勝利に導く。

 初戦を目前に控える天皇杯の優勝カップも、リーグ戦の優勝シャーレも実際には銀製だが、NO・1を象徴するゴールドを選んだ。「いつも『俺が1番』という気持ちでやっている」。日ごろから頂点を意識。大事な相棒として、今後の試合での着用を予定している。

 金色は“勝負スパイク”を意味する。元ブラジル代表ロナウジーニョは純金入りの特注スパイクを着用したことがあり、06年ワールドカップ(W杯)ドイツ大会仕様も金色をベースにしたものだった。日本代表では、FW本田圭佑が前回大会の14年ブラジル大会で、金色地に黒色があしらわれたスパイクを決戦の相棒に選んだ。愛息の顔写真入りスパイクを特注したこともあるジェイにとっても、デザインには特にこだわりを持っている。

 新スパイクの“デビュー戦”となる明日6日の天皇杯2回戦(対MIOびわこ滋賀、札幌厚別)はJFLチームとの対戦となるが、ジェイは「いつも通り。どんな相手でも自信を持って」。この日、チームは4人1組でゴールへ迫る新たな戦術で練習を行い、攻撃のバリエーションを広げた。「普通、試合前々日はもうちょっと軽い」と苦笑いするほどの強度。そんななか何度もシュートを決めた“ゴールデンボンバー”の準備は整っている。【保坂果那】

 ◆ボンバー サッカー界で得点を量産するストライカーの愛称といえば「ボンバー」だ。元祖は70年のW杯メキシコ大会得点王で、同杯通算14得点を挙げているドイツのゲルト・ミュラー。どんな体勢からでもシュートを放つ得点感覚で、デア・ボンバー(爆撃機)と恐れられた。ブンデスリーガ在籍時の高原直泰は「すしボンバー」と呼ばれた。