前半30分までの得点が0では優勝は望めない。「てっぺん」を目指してスタートした今季のJ1アルビレックス新潟は、開幕10試合を終えて3勝3分け4敗の勝ち点12。J1復帰1年目だった昨季の開幕10戦時とまったく同じ成績になっている。昨シーズンは13得点16失点で、今季は9得点12失点。得失点差も同じマイナス3だが、攻め続けたいチームとしてはゴール数の減少は見過ごせない。

試合を優位に進めるための先制点は2試合のみで、9得点のうち7点が後半。前半の2点は32分と48分で、前半30分までの得点がないのは今季J1の20チームで新潟だけとなっている。前半をリードして折り返した試合もなし。チームとして自覚し、最近の松橋監督は「先制して試合を優位に進めたい」と話しているが、こうしたデータを見ると、立ち上がりのまずさがあらためて浮き彫りになる。

今季はFW谷口が3ゴールを決め、6人が各1点。ただ、松田、高木、小見ら2列目のスタメンにゴールがまだない。決定機になりそうな場面でもラストパスの精度を欠き、シュートまで持ち込めないシーンも散見される。特効薬はなさそうで「どうすればゴールを狙えるか、好機になるか、みんなで考えないといけない」とDF早川。このままなら目標を下方修正せざるを得ないが、まだ28試合残っている。巻き返す時間はある。【石川秀和】(ニッカンスポーツ・コム/サッカーコラム「解析料理」)