秋田商が1-0で明桜を下し、4年連続44回目の優勝を飾った。明桜の堅守に加え、強風と水が浮くピッチに苦しんだが、MF富田蓮史郎(3年)の決勝弾で試合を決めた。

後半35分、CKからのこぼれ球をペナルティーエリア外から狙った。チーム最小兵161センチの富田は「こぼれ球は狙っていた。前半を0で折り返せたのでいけると思った。決められてよかった」。迷わず右足を振り抜いたボールは強い追い風に乗りゴールへ。今季初得点が決勝点と、大仕事をやってのけた。チーム一の運動量を誇るが、大会直前にスタメン落ち。ボランチの役目を果たせず1年生にポジションを奪われたが「絶対奪い返す」と奮起して、ピッチに帰ってきた。

秋商サッカーのレジェンドの死を悼み喪章を巻いて臨んだ。監督として2度、選手権4強に導いた外山純氏(69)が8月に他界。古林克監督(44)は「自分を育ててくれた恩師でもある。相手の堅守に苦しめられたが結果を出せてよかった。富田は腐らず続けてくれた。気持ちがゴールに向いていた」。引き継がれた秋商魂を胸に全国に挑む。