北海道コンサドーレ札幌U-18からトップチームに加入したDF中村桐耶(18)が、キャンプインした。大学受験のため、2日遅れでチームに合流した。ユース唯一のトップ昇格を果たしたディフェンダーは、全国高校選手権で優勝した同期のルーキーMF檀崎竜孔(18)へ対抗心を燃やし、切磋琢磨(せっさたくま)しながらプロとして成長を期す。

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中村がいよいよ始まるプロ生活のスタートに胸を高鳴らせた。空港からホテルに到着後、グラウンドに姿を見せ、午前練習中のミハイロ・ペトロビッチ監督(61)やチームメートらと再会。さっそくランニングで体を動かして調整した。「すごい楽しみです。最初から参加したかったけど、(2部練習開始後)1日なのでそんな焦ってないです。いち早くチームに溶け込むことを優先したい」と意気込んだ。

今年の高卒ルーキーは檀崎と2人。同期は全国高校選手権決勝で2得点を挙げて優勝した。「注目されている。負けたくない」と、ライバルとして意識する。同時にスタートラインに立つだけに、比較されることになるが、覚悟はできている。檀崎の札幌の練習参加中に寮で対面済み。タイキャンプ中は同部屋の予定で、これから合流見込みの同期を待ち構える。

プロへの準備はしっかり積んできた。札幌・宮の沢のクラブハウスが開放された年明け7日、最初にトレーニングに訪れたのは中村だった。「自主トレ期間初日から行ったけど、1人だけだった」。むかわ町内の実家周辺でのランニングや、同町内のジムに通い「できるだけ体を動かした」と、鈍らないように気をつけた。地元初のJリーガー誕生の応援ムードに「期待されている。頑張らないと」と、自然と気合も入る。

FWからDFに転向してまだ1年。守備面では伸びしろたっぷりで、攻撃陣だった経験を生かして「幅広くプレーできることを大事にしていきたい」をモットーに掲げる。この日午後のミニゲームでは3バック左に入った。DF福森に続く左サイドバックとして、クラブは育成を構想している。1年目の目標は「リーグ戦デビューしたい」。道産子選手が1人、厳しい世界に飛び込んだ。

 

○…就任2年目のペトロビッチ監督が新しいメニューを取り入れた。今季初のミニゲームで、前線3トップの選手が3バックとして守備を行った。「攻撃的な選手も守備のことを学ばなくてはならない。前の選手がいい守備をすることで、後ろの選手がいかに守備をしやすくなるかを気づかせる」と、狙いを明かした。