全国高校サッカー選手権静岡大会決勝が16日、袋井市のエコパスタジアム(午後1時30分開始)で行われる。

5年ぶりの優勝を狙う静岡学園のキーマンは、DF阿部健人主将(3年)。最終ラインから技巧派集団を支える。対する富士市立は、東部勢の初優勝に王手。磨いた攻撃的なスタイルをつらぬき、新たな歴史をつくる。

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静岡学園伝統の個人技スタイルは堅守が支えている。今大会はここまで3試合無失点。夏以降に強化してきた切り替えの速さが光っている。DFリーダーの阿部主将は「奪われたらすぐに奪い返すことでボールも支配できる」。全国を懸けた大一番では球際での攻防を勝敗のポイントに挙げた。

今年で3年連続決勝進出だが、過去2年は準優勝。昨年の決勝で途中出場した阿部は強い決意を持ってピッチに立つ。「去年は悔しい思い出しかない」。今年の新人戦と県総体も準優勝。2大会とも開始6分で先制点を許し、主導権を握られた。試合運びを左右する序盤での“失敗”も教訓になっており「開始15分間は特に失点してはいけない。悔しい経験をこの大会で生かしたい」と意気込む。

対する富士市立はボールを保持して攻める攻撃力が武器。スタイルは似ているが、経験値では負けていない。決勝進出自体が初の相手に対し、静岡学園は常連。阿部は「独特の雰囲気を知っていることは大きい」と自信を見せた。がっぷり四つの決戦で、全国常連の静学が「横綱相撲」を見せる。【神谷亮磨】