無冠鹿島、伝統から変革へ完敗の中で光った3バック

  • 準優勝に終わった鹿島大岩監督は表彰式で悔しそうに優勝トロフィーを見つめる(撮影・垰建太)

<天皇杯:神戸2-0鹿島>◇決勝◇1日◇国立

点差以上の完敗に、鹿島イレブンはぼうぜんとするばかりだった。前半は神戸相手に手も足も出ず、後半は盛り返したがゴールが遠かった。試合後、この日がラストマッチだった大岩監督は選手1人1人と抱擁を交わして回り、涙をぬぐう選手の姿もあった。

シーズン当初に掲げた「4冠」は、今季は高い壁だった。若手の欧州挑戦に寛容な鹿島では、MF柴崎の海外挑戦などもあり、優勝した3年前の天皇杯制覇時から先発10人が入れ替わった。今夏はMF安部ら3選手が欧州へ渡り、過密日程も影響して負傷者が続出した。指揮官は選手をコンバートしたり、新人のMF名古を積極起用するなど、うまく選手をローテーションしてリーグ終盤まで優勝争いに残ってきた。

それでも終わってみれば無冠。最後のところで勝ちきる力が足りなかった。1月28日のACLプレーオフから始まる来季は、東京五輪開催もあって今季以上の過密日程が予想される。鈴木満フットボール・ダイレクターは来季に向けて「(これまでは)少し選手層を厚くする編成だったが、リフォームでは間に合わないところに来ている。基礎だけを残して家を建て替えようかな、と思っている」と話す。より現実的に全タイトルを狙えるよう、選手全体の底上げを図る意向だ。

鹿島はジーコジャパンでもおなじみの4-4-2を採用してきたが、この日は後半途中から3バックに変更した。練習では取り組んでいないフォーメーションだったが、システム変更後はボールを保持する時間帯が圧倒的に増えた。鈴木氏は「ブラジル流を重視しながらやってきたが、今のサッカーは欧州が中心。そういうものも取り入れてチーム作りをやっていかないと立ち遅れる」と言った。良き伝統を残しながら、時代にあったサッカーへ。来季が変革の時かもしれない。【杉山理紗】