横浜FCのFWカズ(三浦知良、53)が札幌戦に主将マークを巻き先発出場し、ルヴァン杯の最年長出場記録を53歳5カ月17日に更新した。

前半14分には、MF斎藤のスルーパスに抜け出し決定機をつくり左足シュートを放つなど見せ場をつくった。1点リードされた後半10分にベンチに下がった。チームは引き分け、決勝トーナメント(T)進出は逃したが、カズが出場したJ公式戦は18年から11戦連続で不敗となった。

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5日の鳥栖戦に続き、カズは主将マークを巻いてピッチに立った。昨年末のグアム合宿でともにトレーニングに励んだFW瀬沼とツートップを組んだ。見せ場は前半14分。MF斎藤が中央でボールを受けると、前方へスルーパスを送った。FWカズは、札幌DFキム・ミンテを置き去りにして裏に抜けた。ペナルティーエリア内までドリブルで運び左足シュート。決定的な場面だったがシュートはゴール右に外れ、頭を抱えて悔しがった。

前半を0-0で折り返し、試合が動いたのは後半4分。横浜FCのDF志知がペナルティーエリア内で札幌MF小柏を倒しPKを与えてしまった。札幌の背番号「11」のFWアンデルソン・ロペスが冷静にネットを揺らし先制された。勝たなければ決勝T進出の道が絶たれる横浜FCは、後半10分にFWカズに替えFW一美を投入。カズは55分間のプレーでベンチに下がった。

カズの思いは、相棒の瀬沼がしっかり結果で示した。後半12分、瀬沼はスローインを受けるとそのままドリブルでゴール左前に仕掛けシュート。鳥栖戦に続く“2戦連発弾”で同点に追いついた。

チームは引き分け、決勝T進出はならなかった。だが、Jリーグの公式戦ではカズが出場した試合は18年から11戦連続で不敗。「1人カズダンス」はお預けとなったが、ルヴァン杯で2戦連続で決定機をつくり、FWの役割は果たした。カズは常に言う。「チームスポーツなので、自分の足りないところを、若い選手がカバーしてくれたり、逆に彼らの経験がたりないところを僕がカバーしたり。そういうのはサッカーはグラウンドの中でできる」。チームの結束の中心にカズがいる。