引き分け以下でV逸が決まっていた2位INAC神戸レオネッサが、執念で5連勝を飾った。主役は決勝点を挙げたFW京川舞(26)だった。

1-1の同点で迎えた後半4分、DF鮫島彩(33)の左クロスに低空飛行で頭から飛び込んだ。ゴールへは球の方向を右に変える必要があったが、背番号14は難なくシュートに成功した。

「相手の視野に入らないところからスタートできて、背中を取って前に出ることができたりと、駆け引きの部分で決まったと思う。以前だったら自分がアクションを起こして、鮫島選手がボールを入れてくれるという感じだった。それが鮫島選手のボールに対して、消えながら飛びこんでいくという部分が、今までと違うプレーなのかなと思う」

値千金の今季2点目は、今季途中から加入したMF川澄奈穂美(35)の好影響があったという。

「練習でなぜか、川澄選手のマークをすることがあり、その動きが参考になった。消えていて、見た時に出てきたり、背中を取られているというのを感じていて、消えながら前に出ていく時のスピード感とかが、相手にとって嫌な動き。そこを自分もマネをしてみようとやってみた。勉強になりました」

茨城県生まれで名門・常盤木学園から12年にINAC神戸に入団。日本代表にも選ばれたが、選手層の厚いINAC神戸で完全に力を出し切っていない。FW岩渕真奈(27)が前節に左足首を負傷し、今季リーグ戦が絶望となったばかり。京川の活躍は大きなプラス材料だ。

8日に首位浦和レッドダイヤモンズレディースが愛媛FCレディースに勝てば6年ぶりの優勝が決まり、INAC神戸は7年連続V逸となる。それでも、この日の勝利で意地を示した。「今日の試合を勝利できたことは、自分の中でも自信になった」という京川が、残り2試合も全力でゴールを狙う。【横田和幸】