横浜FCのFWカズ(三浦知良、54)が来季も現役続行することが20日、複数の関係者の話で分かった。来年2月に55歳を迎えるサッカー界のキング。年齢を重ねても、サッカーを愛する情熱は増す。ただ今季のリーグ戦は1試合出場。わずか1分に終わった。出場機会に飢えており、クラブでのプレーを第一に、移籍の可能性も視野に入れていることも判明した。

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来年2月26日に55歳。白髪は増え、シワも多くなった。一般企業では、定年退職の時期も迫るところだが、カズに“一般”は通用しない。複数の関係者によると、現役に対して、熱い気持ちは変わらず、22年シーズンも選手で在り続けるという。かねて「受け入れてくれるクラブがある限り、ピッチに立ち続けたい」と話していた。

夢は「ゴールを挙げて、カズダンスを踊ること」と語っていた。サッカーへの愛は変わらない。それどころか、増え続ける。だからこそ、今季は悔しいシーズンとなった。リーグ戦は1試合出場。プレー時間は、わずか1分だった。ベンチ外の日々は続いた。J2降格が決まったこの日も、メンバーには入れなかった。スタンドから唇をかみしめ、試合を観戦するしかなかった。

30代で加入した横浜FC。気付けば40代を通り越し、50代半ばに突入しようとする。契約を続けてくれるクラブに、感謝、恩義を忘れたことはない。一方で、出場機会に飢えている。夏には5戦連続ベンチ入りも、出番はなし。「ピッチに立ちたいですよ」と漏らしたこともあった。サッカーが大好きだから。横浜FCでのプレーを第一とし、可能性を広げる。Jクラブに限らず、JFL、地域リーグなどの選択肢も入れていき、移籍の可能性も探っていくという。

横浜FCで17年目。キャリアの中で、最長の在籍期間となる。甘えてはいけないという思いもある。かつて、神戸から横浜FCに移籍する際に、「カズほどの選手が? 」という声が上がった。周囲の雑音に「どこでやっても、サッカーには変わりない」と制した。「カテゴリーなんてどうでもいい」と言ってみせた。サッカー界のキングは、ゴールを求め、走り続ける。