第100回全国高校サッカー選手権が28日に開幕する。2年ぶりの全国制覇を目指す静岡学園は、29日の1回戦で徳島商と対戦(千葉・フクアリ、午後2時10分)。日刊スポーツ静岡版では「静岡学園 2年ぶり頂点へ」と題して、チームの顔触れを連載する。

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MF菊池柊哉(3年)は、家族の思いも背負ってピッチに立つ。小学生の時はJリーグ東京Vの下部組織でプレー。しかし、ジュニアユースへの昇格はかなわなかった。「小学6年の時に静岡学園中の練習に参加して、すごく楽しかった」。個人技主体のスタイルにあこがれ、進学を決意。当初は「自分1人で来て寮生活をするつもりだった」というが、家族全員で静岡に移住することになった。

「まさか、という思い。うれしかった半面、結果を出さないといけないと思った」。中学3年時には足首のケガで長期離脱。高校入学後も度重なるケガで約10カ月間プレーできなかった。「何もできない自分が嫌だった」。プレーすらできず、思い描いていた高校生活とはかけ離れた現実に、自暴自棄になりかけた。

ただ、支えてくれたのも家族だった。「一番近くで応援してくれた」。復帰後は自主練習で技術を磨き、Aチーム入り。現在はボランチのレギュラーをつかんでいる。武器は、テンポよくボールをさばくゲームコントロール。「中学からの6年間の集大成を見せて、全国優勝したい」と闘志を燃やした。【神谷亮磨】

◆菊池柊哉(きくち・しゅうや)2003年(平15)4月14日、東京都生まれ。小1から深沢FC(世田谷区)でサッカーを始める。中学から静岡学園に通う。家族は両親、妹。178センチ、64キロ。卒業後は京都産大に進学予定。