高円宮杯U-18サッカープリンスリーグ(L)東海が6日に開幕する。

プレミアLから降格した磐田U-18は開幕戦で四日市中央工(三重)と対戦する。今季からクラブOBで元日本代表の西紀寛監督(43)が就任。クラブの黄金期を知る指揮官は最短最速でゴールを奪うスタイルを理想に掲げた。トップチームにつながる選手育成と1年でのプレミアL復帰を目指す挑戦の1年が幕を開ける。

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磐田U-18の西新監督は選手を育てながら目標達成に導く。古巣磐田への復帰は、普及部スタッフを務めた17年以来7年ぶり。藤田俊哉スポーツダイレクター(52)のラブコールに応える形で戻ってきた。現役時代に13年間在籍した磐田は「僕にとって好きなクラブ」。高校生の指導は自身初だというが、「任されたからには責任がある。トップチームにつながる人材を育てたい」と決意を語った。

ゴールをより意識したスタイルを理想に掲げる。2月から本格的に指導を始め、選手の特徴を分析しながらチーム作りを進めてきた。西監督は「つなぐことが上手な選手はいるけれど、ゴールをより意識しなければいけない」。最優先は手数をかけずに前線にボールを運ぶこと。センターバックにも常にFWの動きだしを見ることを強く要求してきた。

対話路線で選手との距離を縮めてきた。DF渥美慶大主将(3年)は「常にコミュニケーションを取ってくれる監督です」。練習中に厳しい言葉で叱咤(しった)することもあれば、ピッチ外では二回り以上年が離れた高校生とサッカー以外の話で盛り上がる。選手にとっては、クラブの黄金期を知る偉大な監督であり、良き兄貴分的存在。オンとオフのメリハリも大事にしながら団結力も高めてきた。

今季チームが掲げる目標は1年でのプレミアL復帰。まずは東海で上位2チームに与えられるプレーオフ出場権獲得を目指す。同監督は「当然目標設定はしている」としながらも、選手育成との両輪でチームを動かしていくつもりだ。「トップチームにつなげていかなければいけない。常に目標を持てる選手になってほしい」。自身にとっても挑戦の1年。クラブの次代を担う選手たちと高みを目指していく。【神谷亮磨】