聖和学園が東北生活文化大高を1-0で下し、4年ぶり6度目の優勝を飾った。0-0で延長戦に突入した同前半6分に、途中出場の“切り札”FW柴田玄(2年)が均衡を破り、優勝を引き寄せた。繰り上げ出場した前年度に続き、2年連続7度目の全国高校サッカー選手権(12月28日開幕・MUFG国立)に出場する。

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1年前には届かなかった景色が見えた。試合終了のホイッスルが鳴ると、聖和学園イレブンは肩を抱き合った。加見成司監督(54)は「なかなか勝てない1年だった。その経験ができていいチームになったと思います」。晴れやかな表情を浮かべた。

“切り札”が重い扉をこじ開けた。前後半の80分間で13本のシュートを放つも、スコアレスで延長戦へ。前半6分、ついに均衡を破った。後半39分から途中投入されていた柴田が、相手DFのバックパスがゴール前にこぼれた瞬間を見逃さず、押し込んだ。「ヒーローになってやるという気持ちもあったので、自分がネットを揺らせてうれしかった」。グレーのユニホームをなびかせながら、ピッチを駆けた。

前年度は準優勝も、優勝校の仙台育英がいじめ問題を受けて出場辞退。繰り上げ出場で全国16強と健闘した。世代交代し「元々弱い世代と言われて、悔しかった」と主将のFW鈴木宗。「どんな局面でも自分たちで道を切り開いていくという思いで」。全国総体前に『打開』とスローガンを決めた。この世代の強みでもある「足下の技術」を磨き、夏頃から練習後に全員で収穫と課題、思いを記す「サッカーノート」を始め、気持ちの整理にもつなげてきた。

全国総体は2回戦敗退も、地力をつけ臨んだ選手権予選。準々決勝では昨年決勝で敗れた仙台育英に逆転勝ちで雪辱。準決勝の利府戦では競り合いを制し、鈴木宗主将は「チームが一つになっていくのを強く感じた」。4年ぶりに実力でつかみ取った国立切符。優勝旗の重みをかみしめながら、「聖和の“魅せるサッカー”を全国でも見せつけていきたい」。前年度越えの8強を目指し、どんな壁も突破していく。【高橋香奈】

○…東北生活文化大高は、初の全国切符にあと1歩届かなかった。再三のピンチを体を張り防いだが、1発に泣いた主将のGK菊地光生太(こうた、3年)は「自分のミスなので、ここまで戦ったみんなには誇りをもってもらいたい」と目を赤くした。それでも、24年の8強、昨年の4強から、今年は創部初の決勝の舞台までたどり着いた充実感もある。「1歩ずつ確実に積み上げてきている。後輩たちにはこういうピッチでできるありがたさを感じてもらえたと思うので、来年こそは全国に行ってほしいなと思います」とエールを送った。