立て直しのことなら、この人に聞け! 相撲界屈指のサッカー好きの横綱鶴竜(32=井筒)が西野ジャパンに緊急提言した。昨年は4場所連続休場で、進退問題にまで発展したが一転、5月の夏場所では初の2場所連続優勝と劇的に復活した。背水の陣で臨む覚悟を知る角界の第一人者が、大学教授の父譲りの分析力で、立て直しが急務のチームの課題などを指摘した。     

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 話し始めたら止まらなかった。こちらの質問はごくわずか。だが鶴竜は、時にはこちらのノートとペンを「ちょっといいですか」と使って「2トップなら、DFも中盤も横並びのオーソドックスなこのシステムかな」などと図解。この取材のために時間を割いてもらったわけでもないのに、サッカー愛にあふれた話は約30分も続いた。実はこれまでも、日本代表戦後などに独自の見解を示していた。「槙野選手みたいな気持ちでぶつかる人は、国際試合には向いている」と早くから着目。今大会は柴崎、原口、宇佐美らワールドカップ(W杯)初出場組にも注目しているという。結果次第ではゲスト解説で招かれる日も近いかも?

 ◆鶴竜力三郎(かくりゅう・りきさぶろう)本名・マンガラジャラブ・アナンダ。1985年8月10日、ウランバートル市生まれ。01年9月に来日し同年九州場所で初土俵。06年九州場所で新入幕、12年春場所後に大関、14年春場所後に横綱昇進。ことし5月夏場所で5度目の優勝。94年にW杯を制したブラジル代表に魅了されて以来のサッカー好きで、主なスポーツ歴はバスケットボール、レスリングなど。186センチ、155キロ。血液型A。