NHKが19日に放送したサッカーワールドカップ(W杯)日本対コロンビアの平均視聴率が、関東地区で48・7%(関西地区44・1%)と高い数字を記録したことが20日、ビデオリサーチの調べで分かった。日本が2-1で金星を挙げた同戦中継は日刊スポーツの調べで、同局が2月に放送した平昌五輪の羽生結弦金メダルで記録した33・9%(関西地区31・7%)を上回り、今年最高の視聴率となった。瞬間最高も関東地区で55・4%(関西地区50・7%)を記録した。

 4年に1度のW杯初戦で起きた劇的な金星に、国内全世帯の半数近くがテレビの前にくぎ付けとなった。

 NHKが19日午後9時53分から放送した日本-コロンビア戦後半の、関東地区の平均視聴率48・7%は、日刊スポーツの調べでは今年に入って全テレビ番組の中で最高の数字。それまでの最高は、NHKが2月に放送した平昌五輪のフィギュアスケート男子の中継で、羽生結弦が金メダル獲得した際に記録した33・9%だった。羽生の数字を14・8ポイントも上回ったことになる。

 例年、平均視聴率の年間トップは主にNHK紅白歌合戦が占めている。おおむね40%前後を記録し、17年の紅白歌合戦は39・4%だった。今回の50%に肉薄する数字は驚異的といえる。 近年における、平均視聴率の年間最高は、14年W杯ブラジル大会の日本対コートジボワールで記録した46・6%(関西地区45・0%)。今回はこれも上回り、11年以降では最高の数字となった。10年にはTBSが放送した南アフリカ大会の日本対パラグアイで、57・3%(関西地区53・5%)を記録している。

 NHKは試合前半を午後8時45分から65分間の枠で放送しているが、この放送枠の平均視聴率も42・8%(関西地区37・6%)と高視聴率を記録した。また、瞬間最高は関東地区で午後10時52分、同53分に55・4%、関西地区50・7%といずれも50%オーバー。NHKによると格上のコロンビアを相手に、日本の勝利が確定した場面という。羽生の瞬間最高は46・0%(関西地区44・6%)だったが、これも大きく上回った。

 この日、都内のNHKでは、定例放送総局長会見が行われ、木田幸紀放送総局長が高視聴率について「心ひそかに結果を心待ちにしていた。48・7%という数字は現代のようないろんなデバイスのある中で、テレビの力をあなどるべからずと思った。驚異的な数字だと率直に思った」と語った。そして「自信をもって、ここまでくると言い切れる数字ではなかった。平均で48・7%というのは、50%を上回る時間がある程度あるということ。すごいなと思う」と驚いた。【中野由喜】

 ◆年間最高視聴率 年間視聴率トップは、主にNHK紅白歌合戦が君臨するが、日本代表がW杯に出場した98年以降、4年に1度のW杯開催年は日本の試合がトップをキープしている。放送局にとってはW杯の日本戦はおいしいコンテンツ。03年は日本テレビの「千と千尋の神隠し」が46・9%を記録し、45・9%の紅白を上回った。