王者ドイツが劇的勝利でスウェーデンを2-1で下し、1次リーグ突破へ望みをつないだ。

 第1戦にメキシコに敗れ敗退危機のドイツは、第2戦のスウェーデン戦も前半32分に先制される苦しい立ち上がり。後半3分にFWウェルナーの左サイドからのクロスを中央でゴメスが流し、ロイスが左足で押し込んで同点としたが、同37分にはボアテングが2枚目のイエローカードで退場となる大ピンチを招いた。しかし、終了間際の同ロスタイム、左サイドの角度のないところからのFKをクロースが目の前のロイスへ預けて位置をペナルティーエリア内にずらし、右足を振り抜くとボールはサイドネットに突き刺さり、土壇場で勝ち点3を奪った。

 殊勲弾のクロースは「僕らがどれだけ戦っていたかを見たら、勝つに値する試合だったと思う。僕らがここで負けたら喜ぶ人も多いかもしれないけど、そう簡単にはいかない」と胸を張った。さらに「僕らは時間帯によって相手を押し込むことができていたけど、ゴールを決めることができなかった。試合開始直後の10分で好チャンスがあったけど先制ゴールを決められなくて、同点ゴールを決めた後もチャンスを生かすことができないでいた。最初の失点はもちろん僕のミスだけど、試合で100本パスを出していたら、そういうミスが起こることがある。それが失点につながってしまった。後半取り返すためにプレーを続けるだけだった。今日は今日の試合に勝つためにプレーをした。休養をして次の韓国戦に向けて準備をしていく」と最終戦へ気合を入れた。

 同点弾のロイスは「最後の10分間、数的不利だったけどサッカーを続けた。クロースのFKについてどういえばいいんだろう。今日はいい感じで試合に入れたけど、スウェーデンはとてもコンパクトに守備を組織していたし、外からチャンスを作ったけど難しい試合だった」と試合を振り返った。

 レーウ監督は「ロスタイムに10人という状態でこんな勝ち方ができたのだから幸せだよ。全体的に見たら我々は勝利に値する試合をした。後半は押し気味に試合を進めてた。最後のシュートで不運もあった。ハーフタイムに選手には我慢を失ってはいけないと伝えた。まだ45分間あるんだと。相手をものすごいプレッシャーで追い込んだ。W杯のようなトーナメントをいつも同じフォーメーションで戦うことはできない」と勝利を喜んだ。