日本が2度追い付いて、セネガルと引き分けた。
初戦のコロンビア戦の勝利と合わせ、2試合で勝ち点4(1勝1分け)。1次リーグ突破へ、前進した。
貴重な同点弾は、途中出場の本田圭佑(32)の偉業となる、W杯3大会連続弾だった。もちろん日本人では初めての記録だ。
西野ジャパンが始動して、この約1カ月。本田は、必死でチームをまとめよう、引き締めようと立ち回ってきた。
西野ジャパンでの本田は、これまでとはひと味違う。
自身のゴールでチームに勝ち点を運び、出ていても、たとえ出ていなくても、チームを勝たせようと、献身性を増している。
セネガル戦後に「サブ(控え)に対して、これだけ前向きに考えられたサッカー人生はなかったから」と言い「人のゴールが、サブでもこれだけうれしく感じるのは、これまでなかったというのは間違いないです」と続けた。
4年前、W杯ブラジル大会で惨敗し、名門ACミランでも結果が出ず、最終的に戦力外同然の扱いで退団し、都落ちとやゆされながら、メキシコのパチューカに移籍した。
ただただ、てっぺんだけを見つめ、成り上がろうと、登りつめようとしてきたサッカー人生を見つめ直し、視野を広げた。
もともと、チームのためにプレーする選手。風貌と、言動、物言いから誤解されがちだが、日本でもオランダでもロシアでもイタリアでもメキシコでも、多くの監督に必要とされてきた。
そして今、西野監督にも「拮抗(きっこう)した中で、何かをもたらす選手」と、ジョーカー的な役割を任されている。
初戦は決勝アシスト、2戦目は同点弾。まさに結果にコミットし続けている。
日本のジョーカーはカードゲームも好きだ。仲間内でも、徹底して勝負にこだわる。先を読む目、勝負強さは、サッカーに匹敵するものがある。
遊びでも、徹底して勝負にこだわる。そして、勝つまでやめない。
舞台がW杯であろうが、その姿勢は変わらない。
勝ちにこだわり、どこまでいけるだろうか。
【八反誠】