MF長谷部誠(34)がベルギー戦から一夜明けた3日、代表引退を表明した。「この大会を最後に日本代表にひとつの区切りをつけさせていただきたいと思います」とインスタグラムを更新。代表通算113試合目となった前夜はボランチでフル出場。06年1月の初招集から12年半、主将は8年。最終戦は逆転負けに終わったが「手応えより失望や悔しさの方が大きいけど、このチームを誇りに思います」と胸を張っていた。

 試合後、主将を降りる覚悟だったことも初めて明かした。開幕2カ月前にハリルホジッチ前監督が解任。責任を感じ、西野新監督に職責を手放す相談をしたという。「若い選手にキャプテンを代えるなら全面的にサポートします」と言い、同時に「辞めない責任の取り方もある」とも言った。2者会談の末に続投すると選手ミーティングをまとめて橋渡し。一体感あるチームづくりに心血を注いだ。

 10年南アフリカ大会の直前、DF中沢主将の後任として当時の岡田監督から指名された。当時と比べ「10年はかなり守備的だったけど、今回は絶対に受け身にならず、攻守に自分たちからアクションを起こせた。8年前より手応えがあった」。3大会連続の主将、日本人最多タイのワールドカップ(W杯)11試合目を納得の戦いで締めた。

 最後は、後輩のために“お願い”した。「大会前は日本の皆さんに期待されていなかったけど、今は誇りに思ってくれているはず。僕が最も恐れているのは日本サッカーへの無関心。厳しい目でいいので関心を持ち続けてほしい。それが日本を強くする」と語り、一時代を築いた中盤の要が重責を全うした。【木下淳】