サッカー日本代表MF香川真司(28)が所属するドルトムントが爆発の被害に遭い、11日(日本時間12日)にホームで開催予定だった欧州チャンピオンズリーグ準々決勝第1戦モナコ戦が翌12日(同13日)に延期された。チームバスが宿泊先を出た後、バスの近くで3回の爆発があり、DFバルトラが負傷した。チームバスを狙った犯行とされ、テロの可能性もある。ドイツの捜査当局は12日に過激派組織「イスラム国」(IS)との関係が指摘されるイラク人の男を拘束した。

 ドルトムントが試合前に襲われた。現地情報を総合すると、スタジアムに向かうためバスで午後7時過ぎに宿泊ホテルを出発し、大通りに出たところで3回の爆発に遭った。装置はバスに近い街路樹に仕掛けられていた。

 GKビュルキは母国スイスのメディアに「本当の爆発だった。僕らバスの中にいた全員がかがんで、可能な者は床に伏した」と伝えた。窓ガラスが割れ、最後列でビュルキの隣に座っていたスペイン代表DFバルトラが、ガラスの破片に当たって右手首を骨折。腕に破片など異物が刺さり、手術のため病院に運ばれた。無事だった香川ら他の選手は駆けつけた警官に保護されて避難した。

 関係者が急きょ協議し、試合を翌12日に延期することを決定した。既に会場には多くのファンが詰めかけており、試合開始約15分前に発表された。観客はショックを受けたが、「スタジアムとその付近は安全」という案内があり、大きな混乱にはならなかった。