日本代表から約10カ月遠ざかるDF高井幸大(21=ボルシアMG)がドイツで奮闘している。このほど、現地で取材に応じ、ドイツ移籍の経緯、ワールドカップ(W杯)北中米大会への思いを語った。【取材・構成=佐藤成】

イングランド、プレミアリーグのトットナムで不遇の日々を送った高井は、今年1月にボルシアMGへ期限付き移籍することを決断する。何より出場機会を優先した。「試合に出たかったし、とりあえずヨーロッパでまだサッカーをしたことがなかったから。やっぱゲームに出ることは大事かなと、半年で一番そこは感じてたので。条件が合うクラブがあるなら行きたいなと思ってましたね」とその理由を明かす。

移籍先のドイツも5大リーグの1つに数えられるようにレベルは高い。すぐに信頼をつかみ、6試合に出場した。一方で2月下旬に筋肉系のトラブルで離脱。日本でケガ知らずだっただけに、もどかしさが募る。

「そんなに簡単に行くとは思ってなかった。今もまだまだ苦しんでますけど、でも自分のコンディションだったり、フィーリングがちゃんと戻せればできる自信もあるし、そこにもっていけるように、まずは試合に出ることが大切かなと思いますね」

ドイツのサポーターは熱狂的なことで知られる。観客動員は欧州でもトップクラスだ。「ドイツの雰囲気はすごくいいですし、試合出ていて楽しいもちろん日本では感じたことないような選手もたくさんいるし、試合に出なきゃわからないことたくさんあったので、それを感じられたのはいいこと」。

試合に出ないと分からないこととは?

「ドイツのクラブはほとんどマンツーマンで来ることが多いので基本的に時間がない。あとは走れる選手も多いですし、ちょっと日本とは違ったサッカーがあるなと感じてます。もうこっちのやり方の方が僕は好き。ボール取れるんで。そっちの方が人に強く行けて、目の前でミス待ちになるより僕は好きかな」

初の一人暮らし。日本では実家とクラブの寮で過ごした。料理は当たり前に出てくるものだった。欧州では自炊にも挑戦している。

「朝昼は基本的にクラブでとって夜は自炊するか食べに行くかです。料理は何もできなかったですけど、やるしかなかったので。料理をするというより調理。焼くとか。そんなおいしいものは作れないけど、食べられればいいんで。食べて栄養を取れれば良いので、そこまで凝った料理はできないけど最低限はできるようになりました」

居を構えるデュッセルドルフは日本人が多く住んでおり、日本食も手に入りやすい。魚などを積極的に摂取するようにしているという。

苦労を重ねながらも、熱意を持って戦える大きな要因の1つに、日本代表の存在がある。幼い頃から憧れ、24年9月に初招集された。そこから継続的に選ばれ、昨年6月まではW杯行きも有力視されていた。しかし海外移籍で一転した。

「日本代表でスタメンを取りたくて、僕はこっち来たので、1年ぐらい入っていないですけど、もちろんW杯に行きたい気持ちあります。でも正直いけたらラッキーかなというぐらいもう今シーズンも残すところも少ないですし、自分は目の前の試合に集中するだけかなと。特に何も考えずにやりたいと思います」

192センチのサイズと川崎F仕込みの足元の技術。パワー、スピードも含めて日本の最終ラインの未来とも言える大器だ。コンディションを100%にし、試合勘を戻せば、大舞台行きも夢ではない。