男子マラソンでプロランナーとして活躍している川内優輝(33=あいおいニッセイ同和損保)が13日、自身のツイッターを更新した。今後のプロランナーの在り方について、「門戸を広げた実業団に登録し、同じ実業団選手として一致団結しなければいけない時代が始まったのだと思います」との考えを記した。

日本実業団陸上競技連合は今季から「雇用形態」や「働き方」の多様化に対応し、登録制度を変更した。従来は企業単位の枠が中心だったが、新たに「クラブチーム」というチームの枠を作った。

別々の企業、団体に所属する人が集まるチームや、企業に属さない複数の選手で構成されるチームなども同連合に「クラブチーム」として登録できるようになった。

つまり、個人事業主のプロとして自由に活動しながら、「実業団登録」はして、幅広く実業団の大会に出られるという新しい形が可能になった。「プロ」でありながら「実業団」の間に存在していた壁が低くなっていた。

前日12日には毎年、出場を続けてきた防府読売マラソンの参加資格が発表されていた。招待を受ける選手を除き、エリートの部の出場資格は、日本実業団陸上競技連合の登録競技者に限られていた。祖父を毎年、連れて行くなど防府読売は川内にとって、愛着が深い大会。それだけに、実業団に登録していないゆえに、大会に出られない可能性がある今の立場を、考えてみたようだ。

新型コロナウイルスの影響で大会は多くが中止。開催される大会は貴重で、記録が公認されるレースを走るには今後も、「日本実業団陸上競技連合」の登録の有無が関わる可能性もある。いわば、市民ランナーも含めプロランナーの一種の「コロナ対策」で、川内は「近年のマラソンブームの前から何十年もかけて実業団が築き上げてきたロードレース文化に非実業団がただ乗りする時代は終わったのかもしれません」ともつづった。