1度は引退した新谷仁美(にいや・ひとみ=32、積水化学)が日本歴代2位の14分55秒83秒を出した。福士加代子(38=ワコール)が05年に出した日本記録14分53秒22には及ばなかったが、日本人女子では2人目となる「15分の壁」を突破した。

まず新谷は前半を1周72秒の安定したペースで引っ張った広中璃梨佳(19=日本郵政グループ)に感謝を述べ、「それが14分台に入れたポイントだった。彼女がいなかったら、14分台はなかった」と言った。「いろんな世界で戦い抜いた先輩」と尊敬する福士に続くタイム。「私だけでなく、日本記録に挑戦できる選手が多くいる。福士さんのためにも塗り替えたい」と話した。

12年ロンドン五輪代表で、13年世界選手権では5位と大健闘した新谷は、14年1月に電撃引退。一時は体重が13キロも増えたというOL生活を経て、18月6月にプロとして復帰した。丸4年のブランクがあったが、その間に踵などの故障が癒え、快走を続けている。復帰後にはハーフマラソン日本記録を樹立しただけでなく、5000メートルでも自己ベストを更新。歯に衣(きぬ)きせぬコメントもさえ渡っている。

現在は12年ロンドン五輪男子800メートル代表の横田真人氏の指導を受け、すでに東京オリンピック(五輪)の参加標準記録は5000メートルと1万メートルの2種目で突破している。さらに進化を続けていく。

3位だった広中も日本歴代3位となる14分59秒37の好記録だった。