吉田優利(24=エプソン)が圧勝で国内ツアー4勝目を飾った。首位から4バーディー、1ボギー、1ダブルボギーの71で回り、通算13アンダーの203で2位に9打差の大差をつけた。昨年挑戦した米女子ツアーで苦しんだ経験を糧に、地元の千葉県で成長を印象付けた。19歳の菅楓華(ニトリ)が通算4アンダーで開幕戦に続く2位、渋野日向子(サントリー)は2アンダーの6位だった。

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吉田優はスタート直前まで、これまでと種類が違う緊張を感じていた。「気持ち悪い感じで」。理由ははっきりしていた。2位に8打差をつけた前日夜、開いたSNSに踊る「吉田が勝つでしょう」「これは負けないな」の声に、容易に処理できないもやもやとした感情が生まれた。「雑念かな」と惑わされないように閲覧をやめたが、嫌な緊張感が消えなかった。

迎えた1番パー4。こわばる体を何とか操り、第2打をピン手前1メートルに。バーディー発進すると、続く2番パー4でも第2打をピン左1メートルにつけ、一気に2位に10打差をつけた。「自分のゴルフをしてもいい日だな」。会心の出だしで自ら緊張感を解放し、最終18ホールまで集中し続けた。

自分では操れない状況に直面した時に、どう向き合うか。昨年、足を踏み入れた米女子ツアーが試練の連続だった。移動では飛行機の遅れも日常。時差ぼけで練習できない日もあった。「栄養あるものが取れなかったり」。16試合で予選落ちが9試合。シード権も逃した1年間だった。

もともとセルフマネジメントに人一倍こだわるタイプだ。「それって吉田優利に合いますかね?」。スポンサーの打診があると、関係者に逆質問することも。23万人のフォロワーがいるインスタグラムの投稿内容も考えに考えているという。ただ米国でマネジメントしきれない現実も知った。「受け入れようとしてます。寛容になったと思いたいです。楽観的になったかな」とほほ笑む。

昨年12月の米女子ツアーの最終予選会で、今季の出場資格を再び獲得した。再挑戦の年に、地元の千葉県での独走Vは、過去の3勝とは違うと感じている。「考え方、価値観が変わった。今までは勢い、怖いものを知らなかったとかで優勝できた部分があった」。ただ同時に「正直、まだ米国で勝つ想像はできない。足りないものを埋めていきたい」とも。その声は明るく響いた。技術も含めて変化していく自分を楽しんでいく。【阿部健吾】

◆吉田優利(よしだ・ゆうり)2000年(平12)4月17日、千葉県市川市生まれ。父の影響で小学4年から始める。12歳で関東ジュニア優勝。19年秋にプロテストに合格。千葉・麗沢高から日本ウェルネススポーツ大。名前の由来は「優しい子に育ち、周囲の人たちが自分のために動いてくれるように」との願いを込める。憧れは上田桃子。趣味はお菓子づくり。158センチ、58キロ。

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