テニスの日本男子3人目のツアー制覇を成し遂げた世界66位の杉田祐一(28=三菱電機)が「聖地」で4大大会初勝利に挑む。日本男子初の芝コートでの優勝となった1日のアンタルヤ・オープン(トルコ)決勝から一夜明け、当地に到着した。今日3日には、同じ芝の舞台で行われる4大大会第3戦のウィンブルドン選手権が開幕。杉田は、1回戦で大会推薦出場の同230位のクライン(英国)と対戦する。

 気温40度を超える灼熱(しゃくねつ)地獄の中、噴き出した汗をぬぐうのも忘れ、杉田のひざが折れた。マッチポイントが決まった瞬間、コート上に大の字になり、何度も両手でガッツポーズを繰り出した。「信じられない。今までの選手人生で、最も感動した瞬間」。勝利の瞬間、「やー!」と声を絞り出した。

 松岡、錦織に次ぐ日本男子3人目のツアー優勝だ。それも、2人とも成し遂げたことのない芝のコートでの優勝に、「グラス(芝)コートは得意だったが、ここまでいい成績が出るとは思っていなかった」と、自分でも驚いた。

 日本協会の土橋登志久強化副本部長は「頑固。自分がいいということは曲げないし、良くないと思えばコーチのことも聞かない」と話す。神奈川・湘南工大付高3年の10月にプロ転向。その時から松岡修造のコーチで、ベッカー(ドイツ)らを世界1位に導いた名伯楽ボブ・ブレット氏(オーストラリア)の助言を受けてきた。全仏予選1回戦で敗れた際にはコート脇で「クレーの戦い方を分かってない」とこっぴどく怒られていた。それでも我を通した。