来年2月の平昌(ピョンチャン)五輪で金メダル獲得が期待される短距離のエース小平奈緒(31=相沢病院)が、37秒29でW杯開幕戦を制した。100メートルを10秒27で通過すると、最初のコーナーでさらに加速。伸びのある滑りでフィニッシュし、リンク記録を0秒30更新してあらためて強さを示した。500メートルでは昨季から出場レース無敗で、連勝を17に伸ばした。

 レース後、軽く手をたたきながら周回すると「100メートルの通過は自己ベストだし、まずまずのスタートが切れた。1番でいることは気持ちが良い。自信に変えていきたい」と話した。

 国内外のタイトルを総なめにした昨季の勢いは五輪シーズンに入っても止まらない。夏場までの陸上練習で体幹を鍛え、9月からの氷上練習では男子と同走する量を増やすことで、さらに上のスピードを体に染み込ませてきた。10月の全日本距離別選手権で自身の国内最高記録を更新する37秒25をマークするなど、進化は止まらない。

 3カ月後の自身3度目の五輪に向け「チャンピオンの風格と、ステイハングリーの精神を併せ持って戦っていく」とテーマを掲げる。節目のW杯10勝目。女王がまた1つギアを上げた。【奥山将志】