GT500クラスで、2位に入った平川亮(23)ニック・キャシディ(23)組(KeePer TOM's LC500)が初の総合優勝を飾った。23歳は最年少コンビの王者となった。優勝はポールポジションの松田次生(38)ロニー・クインタレッリ(38)組(MOTUL AUTECH GT-R)だった。GT300クラスは3位でゴールした谷口信輝(46)片岡龍也(38)組(グッドスマイル 初音ミク AMG)が3年ぶりの総合優勝を決めた。優勝は黒沢治樹(40)蒲生尚弥(28)組(LEON CVSTOS AMG)が今季2勝目を飾った。

 歓喜とは無縁だった。総合優勝を決める2位でフィニッシュした平川は、重圧から解放された安堵(あんど)の思いでいっぱいだった。「ほっとして言葉が出なかった。チェッカーを受けてうれしく思ったのに」。得点ランク2位とは6点差。予選で3位につけ、周囲は王者になれるだろうという雰囲気がつくり出されていた。23歳の若武者は他者以外の強敵とも戦っていた。

 レースをつくったのは、やはり23歳のキャシディだった。フォーメーションラップで前の2台が接触した。先頭のマシンから煙が上がる中でのレーススタートとなったが落ち着いていた。「衝突の場面は見たよ。ベストビューだった。影響を受けないように集中したんだ」。マシントラブルの起きた大嶋組を4周目で抜いて2位に上がり、21周目に平川へバトンタッチした。35周目に再び2位に浮上。「このままの順位で戻ってこないといけない。すごいプレッシャーだった」と平川。「もう見てられなかった」とピットで祈りながら見ていたキャシディの思いも通じて2位を守った。

 王者を引き寄せたのはタイでの前戦だった。予選のポールポジションで勢いに乗った。ところが決勝のウオームアップ走行で平川が縁石に乗り上げ、エンジンオイルがコース上に飛び散った。オイルタンクの破損が予想されたが、幸いにもタンクのキャップが飛んだだけだった。「もうダメかと思った。流れが変わりかけたけど不幸中の幸いだった」。レースを制し、この日の最終戦につなげた。

 23歳の王者は、アンドレ・ロッテラーの24歳を更新する史上最年少になる。「通過点です。連覇やルマンなど上のレベルがある。速さに磨きをかけたい」と意欲を見せる平川に向かい、5カ月若いキャシディは「23歳で王者になれるなんてすごいことだよ。大変うれしくて意味のあること」と素直に喜びをかみしめた。国内で最も人気のあるレースが世代交代の時を迎えた。