日本スポーツ振興センター(JSC)による「ナショナルタレント発掘・育成プログラム五輪・パラリンピック一体型合同トライアル」が、25日から2日間に日程で都内の国立スポーツ科学センターで始まった。全国規模で将来性豊かなアスリートを見いだし、適性に応じた競技・種目の選定や競技団体への育成ルートをつなぐ機会を提供するもの。

 第1日は五輪対象35人(女性16人)、パラ対象9人(同4人)が参加。五輪8、パラ1競技団体の関係者が見守る中で30メートルダッシュ、垂直跳び、反復横跳び、ワットバイクなどのメニューを消化した。

 体幹の強さ、ボディーバランスの良さで複数の競技団体関係者の熱い視線を浴びたのは、和歌山県から参加した空手の武田桜花(14=太地中2年)。小6、中1で全国大会を制しており、全日本空手道連盟のジュニア強化選手でもある。同様に全国大会優勝経験を持つ兄風人(16=京都外大西高1年)とともに参加した。

 ただ、2人は他競技への転向希望はなく、あくまでも空手1本。20年東京五輪の新競技だが、年齢的に3年後の出場は難しく、24年パリ五輪でそろって日本代表入りする夢を抱いている。「空手関係の方が見に来られると聞いていたので参加しました」と風人。来年以降の国際大会出場などをアピールしたかったが、残念ながら関係者は来場しなかった。それでも「どこにチャンスがあるか分かりませんから」と2人は笑顔で会場を後にした。