男子プロバスケットボールBリーグのレバンガ北海道が、ユニバーシアード日本代表の玉木祥護(21=筑波大、札幌旭丘)に特別指定選手のオファーを出したことが29日、分かった。玉木は26日閉幕のインカレで準優勝した筑波大の3年で、今年は日本代表候補合宿に3度招集されているセンター。近日中に本格的な交渉に入る予定で、玉木が合意すれば年末にもチームに合流。公式戦出場が可能になる。
強豪ひしめく東地区からプレーオフを狙う後半戦の秘密兵器として、レバンガ北海道は玉木に狙いを定めた。清永貴彦チーム統括(43)は「本格的なバスケットボールの経験が少なく、覚えることは多いが、身体能力が非常に高く、伸びしろが大きい。うち(レバンガ)を選んでもらえたらうれしい」と交渉合意を心待ちにする。
身長195センチの玉木は関東大学リーグ屈指の最高到達点358センチを誇る。センター(5番)として平均的なサイズをカバーする、抜群の跳躍力と20メートル3秒の俊敏性を兼ね備え、今季ユニバーシアード日本代表のほか、W杯や東京五輪を目指す日本代表候補に選出された。
高校入学後に競技を始めた。まだ「粗削り」(清永統括)の原石は「誰よりも北海道でプレーしたい気持ちが強い」と常日ごろから公言する。札幌生まれの札幌育ち。強い郷土愛はレバンガにとって魅力だ。
現在、チームの課題は、ルール上、外国人選手1人しかコートに入れないクオーター(Q)のメンバー構成。3外国人のうち2人同時に起用できるQは問題ない。外国人1人のQは、パワーフォワード(4番)にベテラン野口大介(34)を選択。自然と負担が大きくなる。5番に加え、4番をプレーできる玉木の加入で、オンザコート問題は一気に解消される。
玉木にとって今季最後の公式戦となるインカレは、26日に終了した。年明け以降、出席すべき授業も減る。札幌に長期滞在してのリーグ戦出場は可能だ。問題はレバンガの選手数。現時点でベンチ入り12人より多い13人が所属する。「試合に出場できなければ意味がない」と玉木。選手12人以下のチームのオファーを優先する可能性は否定できない。さらに4年生となる来季、複数チームの激しい争奪戦が予想される。この冬、道産子プレーヤーの決断が注目される。
◆玉木祥護(たまき・しょうご)1996年(平8)8月30日、札幌市生まれ。札幌旭丘で競技を始め、2年で札幌選抜、U-18トップエンデバー、3年でU-18日本代表候補となった。筑波大では1、3年でユニバーシアード日本代表、今年3月からの日本代表候補合宿には3度招集されている。最高到達点358センチ。あこがれはビンス・カーター(40=メンフィス)のダンクシュート。位置はセンター。家族は両親と兄。195センチ、98キロ。