女子100メートル背泳ぎで小西杏奈(21=中京大)が、59秒62で2連覇を果たした。標準記録を0秒46上回って、パンパシフィック選手権(8月、東京)代表にも決まった。日本女子の弱点といわれた背泳ぎで、国際大会に2年ぶりに個人種目出場者が誕生。小西の活躍で、昨年は組めなかった日本女子の400メートルメドレーリレー復活も視野に入った。

 小西は電光掲示板を見て順位とタイムを確認すると、笑顔で拳を握った。昨年からタイムを1秒10縮めて代表権を獲得した。「頑張ってきてよかった。代表でメダルを取ってきたい」。

 00年シドニー五輪から4大会連続でメダルを取った日本女子背泳ぎは、13年末にロンドン五輪銅の寺川綾さんが引退すると、低迷期に突入した。16年リオ五輪は準決勝にも進めず、昨夏の世界選手権は出場者すらいなかった。小西は「寺川さんが引退してから、日本の背泳ぎが弱いといわれている。(寺川さんを)抜かしたい」と言い切った。

 04、08年五輪連続銅メダルの中村礼子さんが166センチ、12年ロンドン銅の寺川綾さんは174センチと長身だが、小西は158センチ。「中学から背は伸びていない」と言う小さな体に日本女子背泳ぎの復活を担う強い覚悟を秘めている。【上田悠太】