“新ビーチの妖精”坂口佳穂(22=マイナビ/KBSC)が、ツアー初のベスト4進出を決めた。

 鈴木悠佳子(30=湘南ベルマーレ)との「スズカホ・ペア」で女子1次リーグ(3組総当たり)を2連勝のグループ1位で突破。準々決勝でも松村美由紀(ビーチの女王)松山紘子組に21-15、21-14のストレートで快勝した。

 5日の最終日は準決勝、決勝が行われ、鈴木、坂口組はまず、決勝進出をかけて石坪聖野(at home)柴麻美(帝国データバンク)組と対戦する。

 「昨日(3日)は少し固くなっていたけど、今日は自分たちのバレーができました。ユカコさんとのコンビネーションよかったと思います」。飛び切りの笑顔で坂口はこの日の2試合を振り返った。1次リーグ最終戦に続いて準々決勝もストレート勝ち。15年からジャパンツアーに参戦しているが、過去最高成績は5位タイ。ベスト4に進んだことがなかったが、ついに厚かった壁を突き破った。強打も、カット、ラインショットも面白いように決まった。時折強風が吹き抜けるコンディションも問題なし。サーブとレシーブも安定感十分だった。

 昨シーズンは途中でペアを解散した。試合ごとに組む選手を変えなければならない状況だったが、それでもプレーの精度、質を上げ続けた。オフにはスピード、パワー、持久力を向上させるトレーニングを重ね、長いラリーでもプレーを乱さないことを目指してきた。今シーズンになって一昨年に組んでいた鈴木との「スズカホ」を復活。2つの世界ツアーでも5位タイに入るなど好スタートを切っている。

 3月に武蔵野大を卒業し、女子大生とプロ選手の両立からも解放された。競技に専念できる環境が整った分、より厳しい目で見られることも自覚している。先週末に行われたジャカルタ・アジア大会代表選考会の3位決定戦でコンクリート壁に激突。額にテニスボール大のたんこぶができ、病院で精密検査を受けるなど心配されたが、今大会に合わせてしっかり調整してきた。左目の周囲はまだ青黒く内出血しているが「大丈夫です」と笑った。

 「一番高いところを目指したいです。相手どうこうより自分たちのプレーができるかどうか。しっかりストレッチして、おいしいものをたくさん食べて、疲れを残さずに明日に臨みます」。小麦色の肌に最後まで変わらない笑顔で、坂口は最終日への決意を明かした。【小堀泰男】

 

◆坂口佳穂(さかぐち・かほ)1996年(平8)3月25日、宮崎県串間市生まれ。小・中学校ではバレーボール部、高校ではタレント活動をしながらダンス部に所属した。14年、武蔵野大入学と同時に川崎ビーチスポーツクラブビーチアカデミーに入校し、ビーチバレーを始める。15年に公式戦デビュー。ビーチバレー界の美人選手として「ポスト浅尾美和」「新ビーチの妖精」などの愛称を持つ。家族構成は両親、双子の弟と3人の弟。172センチ、60キロ。血液型A。