日大アメリカンフットボール部の選手が、関西学院大の選手を悪質な反則で負傷させた問題で、日本協会の国吉誠会長が取材に応じ「日本に入って84年の中で初めての事案」と遺憾の意を示した。

 国吉会長はスポーツ庁鈴木大地長官に報告したことを明かし「鈴木長官の方に、ご報告に上がりました。大変、大きな問題。日本に入って84年の中で記憶に残り、調べた中で初めての事案。まま、あることと誤解いただかないよう…極めて異例なことでありますけど、二度と起こさないと、アメリカンフットボール部界全体の解決として申し上げた」と語った。

 関東学生連盟が同日に臨時理事会を開き、日大の内田正人前監督(62)と井上奨前コーチ(30)に下す処分については、学連の会見前ということで伏せたが「大変重要な結論。処分を聞いた限り他連盟、社会人含め今までなかった」と重大な処分であることを示唆。

 その上で「関東学連も1月にコンプライアンス委員会を開いている。各大学は徹底を図っている中で、全くの初めての悪質な反則が防げたかということに関しては今後、起きないように努めていくことに尽きる」と語った。鈴木長官は「アメフト界全体の危機とおっしゃった。いろいろな意味で一緒になってやっていこうという言葉をいただいた」という。

 反則行為を実行し、会見で内田前監督と井上前コーチから指示を受けたと告白した宮川泰介選手(20)と日大については「誰もが共通に感じていることは学生たちにチャンスを与え、スポーツを通じて健全なる形で鍛え直していく、復活してもらいたい…個人、チーム含めてです」と宮川選手とチームの再起を願った。