フィギュアスケート男子バンクーバー五輪8位の小塚崇彦さん(29)が20日夜、自身の公式ブログを更新し、19日に暴漢に襲われて25歳で亡くなった14年ソチ五輪銅メダリストのデニス・テンさんを追悼した。

 2人はバンクーバー五輪のフリーで、滑走順が前後だった。先に滑った小塚さんは得点を待つキスアンドクライに座りながら、これから滑るテンさんに向かって「デニス、がんばれー」とエールを送っていた。小塚さんは「キスアンドクライから見た、デニスが滑り出す姿は今でも覚えています。お互いの演技が終わって、『よかった、よかった』と日本語で話しかけながら駆け寄ってくれたのも、つい最近のことのようです。辛い。悔しい。デニス頑張れ~ってもっと言いたかった」と振り返った。

 その後も交流は続き、今年に入ってからは小塚さんが開発した「小塚ブレード」を送る約束も交わしていた。前日19日夜には、LINEでテンさんとかわしたやりとりをインスタグラムで公開。「この前LINEしたばっかじゃん…ショー呼んでくれて…ブレード届くの楽しみにしてるっって…デニス嘘だろ? ちょっと気持ちの整理がつかない」とつづっていた。

 一夜明けて、ブログであらためて彼への思いを記したが「あまりにも突然の訃報で、僕もなかなか気持ちの整理がついていないです」とし、「まだまだこれから、いろんなことを一緒にやっていきたかったのに、とても哀しく、悔しいです」と無念さをにじませた。