バレーボール女子日本代表の中田久美監督が19日、東京オリンピック(五輪)の本格始動に合わせてオンライン会見に臨んだ。新型コロナウイルスの影響で五輪が1年延期となり強化策の見直しを迫られたが、黒後、石川、籾井、山田といった若手が台頭。来月1日に五輪本番会場の東京・有明アリーナで行われる世界ランキング1位の中国を相手にどこまで通用するか。「現時点での力を試したい」と決意を見せた。

2019年のW杯以来となる約1年7カ月ぶりの国際試合に向けて、中田監督が決意を見せた。代表選手18人は3月1日から東京・味の素ナショナルトレーニングセンター(NTC)で国内合宿に臨み、海外勢を想定して男子選手と実戦練習を重ねてきた。世界ランク1位の中国を相手に「ベンチワークを含めてオリンピックへのシュミレーションをしていく」と決意を見せた。

中国と対戦後に国内合宿を挟み、5月25日からは公式国際試合「ネーションズリーグ」(イタリア・リミニ)に挑む。16チームによる総当たり戦で予選ラウンドを戦い、上位4チームが決勝ラウンドに進む。

実戦機会が乏しい代表にとって一戦一戦が大事になる。中田監督は「選手たちには最終的には12人しか連れて行くことができないので、しっかりとパフォーマンスをしてほしいと言っている」。選考で重視する点については「東京オリンピックでメダルを取るために必要なのは、自ら考えてチャレンジする選手が最低条件ではないか」と話した。

日本のコンビバレーの重要な鍵となるセッターには、関、田代、初選出の籾井が選ばれている。Vリーグ女子JTを2冠に導いた20歳の籾井について、中田監督は「同じセッターとして非常に面白いし、頼もしい視点がある。トス回し一つにしても、深いところまで考えている。初めての代表で多少遠慮しているけど、それを取り除いたときに籾井の力が発揮される」と期待した。【平山連】