ラグビーW杯フランス大会が9月8日に開幕する。日本代表は、7月8日のオールブラックスXV戦(東京・秩父宮)を皮切りに実戦モードに突入し、大舞台に臨む33人を絞り込んでいく。個性豊かな外国出身選手たちもアピールが求められるもう1つの戦い。桜のジャージーを目指す男たちを全5回連載で紹介する。
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【仲間思いの男】ジャック・コーネルセン(28)/ロック・フランカー
大きな男たちが1ルームの家に集い、キムチ鍋をつついていた。
パナソニック(現埼玉パナソニックワイルドナイツ)の拠点だった群馬・太田市。18年、東福岡高から入団した1年目のフランカー、福井翔大の1人暮らしの自宅に、コーネルセンはCTBディラン・ライリーとともに、たびたび顔を出した。締めはチーズリゾットがお決まり。たわいもない話で盛り上がり、最後は割り勘で1000円ほどを集める。そんな“鍋パーティー”を何度も催した。
高卒ルーキーだった後輩は環境になじめず、ストレス性胃腸炎で急激に体重が減った時期があった。コーネルセンはライリーと一緒に、クラブハウスの食事を福井の家へ運んだこともあった。
「僕が来日した時にも先輩が助けてくれた。自分も(福井に)やってあげたいと思っただけ。鍋をしたり、僕らも楽しみにしていました」
その1年前、オーストラリアから練習生として来日。当時は体重100キロ。FW第3列だった父のグレッグさんはオーストラリア代表「ワラビーズ」の名選手だった。幼いころから、同じように母国のジャージーを着ることを夢見てきた。それでも、来日して埼玉の仲間と競い合ううちに、目標のジャージーは、“桜”に変わっていった。
「最初は未知の環境で不安、恐れがありました。ワイルドナイツが、私の存在を早く受け入れてくれた。少しでも(日本代表の)可能性があるなら、チャレンジしたいと思いました」
身長195センチ。体重は115キロまで増え、その体格に加え、安定感のあるプレーで頭角を現した。21年の全英・アイルランド代表ライオンズ戦で、日本代表初キャップ。現在の候補メンバーの中で身長200センチ超えはディアンズ1人だけに、空中戦でも重宝される存在だ。ロックも務める万能ぶりで、今や欠かすことのできない戦力となった。
9月に迫るW杯。まだその大舞台には立ったことはない。5年前にキムチ鍋をつついていたライリー、福井とともに、フランスへの切符は手が届く位置にある。【松本航】
◆ジャック・コーネルセン 1994年10月13日、オーストラリア・ゴールドコースト生まれ。11歳でラグビーを始める。クイーンズランド大などを経て、17年にパナソニック入り。日本代表12キャップ。愛称はコーニー。趣味はゴルフ。195センチ、115キロ。
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