神戸の元日本代表プロップ山下裕史(37)が、久富雄一の持つ歴代最多タイのリーグ戦通算177試合出場を飾った。

この日は後半16分に途中出場。記念すべき記録達成の日だが、頭の中はチームの勝利のみで占められていた。会見の冒頭では「チームがしっかり持ち味を出せて、ボールを動かせて、危なげなく勝ったっていうことが、自分の記録よりもうれしいかな」と笑顔。前半、気になっていたスクラムの部分で力を発揮し「息を吹き返すところはやっぱりフォワードまわりだと思うので、その使命を持ってグラウンドに立ちました」とチームの勝利を一番に喜んだ。

それでも、試合後に行われたセレモニーでは記録達成を実感した。

大阪・都島工業高時代の恩師、瀧林賢次氏から花束を贈られ、当時の仲間と記念撮影。「ベースを教えてもらった先生。瀧林先生に会ったことがラグビー人生のスタートだった。うれしかったですね」と感慨深げに話した。

チームは、今季最後のホストゲームで計9トライを決めて快勝。前節クボタスピアーズ船橋・東京ベイ戦に敗れて上位4チームによるプレーオフ(PO)進出を逃しても前を見続けた結果が、試合に表れた。

今季最終戦は5月4日。敵地で三重ホンダヒートと対戦する。

続けての出場となれば最多出場記録を更新することになるが、デイブ・レニー・ヘッドコーチは「あえて使わないという選択肢もある。使ってしまうと新記録を樹立してしまうので、モチベーションを残すためにわざと使わないのもあるかな」とにやり。

ロッカールームの掃除を進んで行うなど人間性の面でも信頼される38歳は、チームを支えていく。