ラグビー「リーグワン」1部クボタスピアーズ船橋・東京ベイ(東京ベイ)のSH藤原忍(25)が、リーグ戦通算50キャップの節目の一戦で輝く。

2日は今季最終戦の東京サントリーサンゴリアス(東京SG)戦(4日午後2時半、東京・秩父宮ラグビー場)に向けて、千葉・船橋市内で調整。すでに上位4チームのプレーオフ進出の可能性はなくなっているが、今季全16試合の先発が決まり「まずは個人のスキルだったり、ベーシックな部分を80分間やっていく。ペナルティーの数だったり、毎試合で出てきた課題を(最終節で)80分間やり遂げたい。今までやってきたことを、しっかりと出して勝ちたい」と意気込んだ。

25歳の50キャップは、多くの意味を持つ。

前身のトップリーグでのデビュー戦は21年4月3日、同じ秩父宮のサントリー(現東京SG)戦だった。26-33と7点を追う接戦で、投入されたのは後半40分。3年前のほろ苦い記憶は、今も鮮明に残っている。

「1分しか出ていない。『接戦になっても、早く出してもらえるようにならないといけない。頼られるスクラムハーフにならないといけない』と思いました」

1月に天理大を全国大学選手権初優勝に導き、新天地であふれ出たプレーへの欲。翌22年にリーグワンが発足すると、1季目は第3節のコベルコ神戸スティーラーズ戦に途中出場した。そこからコロナ禍での中止を除いた15試合、昨季も全18試合に出場。今季の全15試合を加え、連続試合出場記録を48に伸ばしている。

相手先発SHは23年W杯日本代表の斎藤直人(26)。1学年上の先輩とはジュニア・ジャパンなどで切磋琢磨(せっさたくま)し「少し意識します。近い年代ですし、ジュニア・ジャパンでも(斎藤が)スタートで(自分が)リザーブ。負けられない気持ちはあります」と隠さない。普段から連絡を取り合う仲だが、昨秋のW杯を見つめ「リーグワンで混じり合っている人たちが出ていて、どうしたら出られるのか考えていました。彼らがいるから、自分も伸びているところもあると思います」と貪欲だ。

今季はSHのライバルに故障が相次ぎ、プレー時間をのばしながら、チーム全体を前に向ける意識を強めた。ルディケ・ヘッドコーチからも「取り組む姿勢が良く、ワークレートがある中で、基礎的なスキルが伸びた。プレッシャー下でも、いいパフォーマンスができている」と評され、目標の日本代表も視野に入る。

「(日本代表への思いは)変わらないです。球出し、スピードは負けていないと思っています。みんながついてきてくれるような、プレーをし続けたいです」

秩父宮のサンゴリアス戦で進化を示す。【松本航】

◆東京ベイメンバー

〈1〉紙森陽太

〈2〉福田陸人

〈3〉為房慶次朗

〈4〉ルアン・ボタ

〈5〉デービッド・ブルブリング

〈6〉トゥパ・フィナウ

〈7〉末永健雄

〈8〉ファウルア・マキシ

〈9〉藤原忍

〈10〉バーナード・フォーリー

〈11〉山崎洋之

〈12〉立川理道(主将)

〈13〉テアウパ・シオネ

〈14〉根塚洸雅

〈15〉島田悠平

〈16〉スカルク・エラスマス

〈17〉海士広大

〈18〉オペティ・ヘル

〈19〉JD・シカリング

〈20〉ピーター・ラブスカフニ

〈21〉古賀駿汰

〈22〉二村莞司

〈23〉ハラトア・バイレア

◆東京SGメンバー

〈1〉小林賢太

〈2〉宮崎達也

〈3〉中野幹

〈4〉サム・ジェフリーズ

〈5〉ハリー・ホッキングス

〈6〉ツイ・ヘンドリック

〈7〉下川甲嗣

〈8〉タマティ・イオアネ

〈9〉斎藤直人

〈10〉高本幹也

〈11〉河瀬諒介

〈12〉中村亮土

〈13〉尾崎泰雅

〈14〉尾崎晟也

〈15〉ニコラス・サンチェス

〈16〉堀越康介(主将)

〈17〉森川由起乙

〈18〉垣永真之介

〈19〉箸本龍雅

〈20〉山本凱

〈21〉大越元気

〈22〉イザヤ・プニバイ

〈23〉江見翔太