全国のボートレースの競技運営を行っている日本モーターボート競走会では、1月4日から第141期ボートレーサーの募集を開始した。
24年11月にデビューした宮崎心之介(23=埼玉)は、大学在学中に養成所に入所。在所中の大けがを乗り越えデビューした、不屈の闘志を持つ。埼玉期待の若きレーサーは、確固たる信念を持つ後輩を待っている。
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宮崎は24年11月に戸田でデビューした。養成所時代はリーグ戦で3度優勝し、成績はトップ。修了記念の優勝は逃したが、優勝戦で有利とされる1枠ながら「まくってやろう」と、自ら大外6コースに出て勝負した逸話も残した。ただ、決して順風満帆の訓練生活ではなかった。23年12月、養成所でのレース中の事故で大けがを負ってしまった。
宮崎 肋骨(ろっこつ)左右10本、左鎖骨、肩甲骨を骨折。肺気胸もあって、ドクターヘリで運ばれて気付いたら病院でした。
それでも、レーサーの夢は諦められなかった。
宮崎 まだ、プロでも何でもないのに、辞めるという選択肢はなかったです。事故の瞬間を覚えてなかったから、恐怖心もなかったです。家族は心配しましたけどね。
懸命のリハビリの末に1期(半年)遅れの135期として、晴れてプロデビューした。
ボートレーサー好きの父に幼いころから各地のレース場に連れて行ってもらった。これがレーサーを志す原点。ただ、それまでは青学大に通う普通の学生だった。
宮崎 新型コロナの時期で入学式もなく、授業もリモート。友達もなかなかできない。そのあとも流れで就職活動して、インターンもしていたけど…。やっぱり、ボートレーサーをやりたいなって。
大学を休学し、養成所受験は一発合格。デビューしてからは復学し、学生との二足のわらじも履いた。
宮崎 でも、練習するとなれば朝から1日かかる。今はとにかく、走りたい、練習したいと思ったので、結局、大学は辞めました。自分で半年やってみて決めたことなので。デビュー後に大学や大学院を出た人もいるし、逃げ道にしなければいいと思います。
最後に、宮崎が思うボートレーサーに必要なものを聞いた。
宮崎 ボートレースは頑張った分だけ結果が出る、本人次第のスポーツ。なので、自分で考えられて決断力のある人、自分の意思が強い人だと思います。
鋼の信念と不屈の闘志を持つ先輩レーサーの声。あなたも、強い意志でチャレンジしてみませんか?
◆第141期ボートレーサー選手募集概要
募集人員は50人程度。
26年10月1日に、ボートレーサー養成所(福岡県柳川市)へ入所。
養成期間は1年間。
養成所の費用は無償(受験手数料1次3000円、2次6000円、3次3000円)
応募はWEBエントリー制(6カ月以内に撮影した正面上半身、脱帽の写真をアップロードする)。
●一般試験
★応募期間 1月4日~3月6日まで。
★主な応募資格
<1>年齢:15歳以上、30歳未満(96年10月2日~11年4月1日生まれ)。
<2>学歴 入所日時点で中学を卒業していること。
<3>身長 男女とも175センチ以下。
<4>体重 男子は49キロ以上、57キロ以下。女子は44キロ以上、52キロ以下。
<5>視力 両眼とも裸眼で0・8以上(コンタクト、眼内レンズ手術は不可)。
★試験内容
1次試験 国語、数学、理科、社会(高校入試レベル)の学科試験および、柔軟性、筋力、瞬発力を測定する体力試験。
2次試験 操作適性、反応力などの適性試験と、持久力、敏しょう性などの体力試験。
3次試験 面接、身体検査、適性検査。
一般試験志願者のうち、23年10月2日以降の中・高・大学などでのスポーツ(競技不問)の成績による「スポーツ推薦試験制度」や、日本代表経験など、国内外トップクラスのアスリート経験者向けとして「特別試験」もある。
◆ボートレース 6艇が1周600メートルを3周して順位を争うモータースポーツ。レース場は全国24場。選手は各場が所有するエンジンとボートを抽選によって使用する。ターンの技術はもちろん、エンジンに装着されたプロペラをハンマーでたたいて調整したり、エンジン本体の点検、部品交換など、整備の技量も勝敗の鍵を握る。
◆ボートレーサーとは 未経験からでもスタートできる。現役最年少は17歳、現役最高齢は76歳。性別、年齢問わず、同じレースで1着を争う。25年10月1日時点で、現役は1625人(うち女子は278人)。A1級を頂点とし、A2級、B1級、B2級の4つにランクに分けされる。優勝賞金の最高額は、SGボートレースグランプリの1億1000万円(25年)。昨年は賞金王の桐生順平が約2億3000万円を獲得、12人が年間1億円を突破した。平均年収は約2000万円。
◆ボートレーサー養成所とは 01年、福岡・柳川市大和町に「やまと学校」として開所、17年から現名称。東京ドーム7個分の広大な敷地に、実際のレース場と同等以上の設備を持つ練習水面を2面持つ。選手の卵であるボートレーサー、審判員、検査員を養成する日本唯一の養成所。全寮制で、合格した養成訓練生は1年間、厳しい訓練を受ける。
乗艇、旋回、エンジンの装着や分解、組み立ての基礎から、性能向上、プロペラ修正などの応用課程を経て、模擬レースなどの実戦訓練を行う。最後に修了記念レースを行い、プロデビューとなる。


