日本のAS界に若きスター候補が飛び出した。ジュニアでも活躍した田所新菜(16=井村ASC)がフリーFRで4位入賞。前日のデュエットTRでは額田紗子(22=井村ASC)とともに2位でメダルを獲得するなど、急成長をみせた。応援に駆けつけた父豊さん(64)はミュージシャンのダイアモンド☆ユカイ。数多くの世界的選手を育てた井村雅代コーチのもとで五輪出場を目指す。

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田所が172センチの長身を生かしたダイナミックな演技を披露した。スピンの軸がブレるなどミスもあったが、234・2426の高得点で3位につけると両手で顔を覆って大喜び。最終的に表彰台は逃したが「信じられなかった。うれしいです」と振り返った。

前日のデュエットは2位だったが「(額田)紗子さんに引っ張ってもらったので」。この日は1人の力で4位。「まだ演技の前になると緊張してしまう。うまく心をコントロールできるようにしたい」と、精神面を課題にあげた。

中学卒業後「もっとうまくなりたい」と埼玉の父と弟たちと離れて母とともに大阪に移住し、井村ASC入りした。「びしびしやった。特にこの半年は付きっきりで教えた。少しはましになったやろ」と井村氏。素質を認めるからこその厳しい指導だが「諦めずに頑張るところはすごい」。この日、田所の演技に涙した父豊さんも「根性は僕譲りなんです」と笑った。

井村氏は「足が素晴らしい。海外でも通用する。いずれは日本を代表する選手に」と期待する。「もっとうまくなること」と話す田所の目標も五輪。現状ではまだまだ足りない部分も多いが、さらに成長すれば2年後のロサンゼルス五輪に間に合う可能性もある。

元広島カープの寿光氏を父に持つ173センチの比嘉と組めば「プロ野球選手とミュージシャン」の父を持つ大型デュエットになる。今はまだ夢のような話だが、井村氏は「もちろん、考えとるわ」と言って笑った。

◆田所新菜(たどころ・にいな)2010年(平22)2月5日、埼玉県生まれ。幼少期からバレエなどに親しみ7歳の時にASを始めた。中学1年で井村ASC入りし、ジュニアオリンピックなどで活躍。ユース世代の世界大会にも出場している。父は「ニーチェ」と呼ぶが、愛称は「ニーナ」。172センチ。

○…田所の父、ダイアモンド☆ユカイは前日に続いてスタンドで応援。「すごいですよ。本当に頑張っている」と娘の活躍に目を細めた。現在は大阪と埼玉で離れて暮らしているが「幸いにも反抗期とかなくて、娘とは常にメールで連絡をとっている」とうれしそう。前日はデュエット2位を見届けて都内で行われた「ZIGGY大復活祭」に参加して熱唱。ロックミュージシャンとしての活動にも意欲的で「ASに一途な娘に刺激を受けています。自分もまだまだ頑張らないと」と笑顔で話していた。

○…大会に11年ぶりに出場した日本代表はチームTRで観客を魅了した。日本のファンの前で演技することで「場慣れ」することも狙いで、比嘉は「まとまって泳げたけれど、まだ足りていないところがあるのでブラッシュアップしていきたい」と話し、9月に愛知・名古屋で行われるアジア大会に向けて「日本の方たちに勇気と感動を与えられるように頑張りたい」と決意を込めて話していた。

◆混合デュエットTR (1)三木心愛・相高平蔵(ミキハウス東京ASC)184・3709(2)横山正・米谷彩葉(YTASC)146・8684(3)横山立・藤田彩笑(YTASC)139・7967

◆ソロFR (1)福田汐理(京都踏水会)242・0913(2)小山菜花(井村ASC)240・9988(3)古谷彩夏(ミキハウス東京ASC)239・3151

◆男子ソロFR (1)相高平蔵(ミキハウスASC)208・2088(2)井手清士郎(国士舘ASC)159・3513(3)鈴木輪(宮城ASC)143・3951

◆チームTR (1)日本(比嘉、佐藤、小林、島田、藤井、川瀬、相高、白波瀬)295・3359(2)井村ASC・A(熊谷、額田、田辺、小山、田所、井手、浜里、秦)259・0459(3)アクラブ調布A(田中、音川、山鼻、斎藤、橋田、福田、ウェヌキ、笠井)251・6033

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