優勝決定の瞬間、天を仰いで感極まった。空手女子形個人の尾野真歩(27=キッコーマン)は、決勝のマットを降りると同時に破顔し、コーチに抱きついた。この種目で1994年広島大会から8大会続いた日本勢の金メダルを死守し「責任をすごく感じていた。安心した」と胸をなで下ろした。
全4試合で5-0の完勝。気合が乗った突き、蹴りを乱れなく繰り出し、安定感が際立った。最後は昨年世界選手権の決勝で敗れた香港選手を破った。「日本で生まれた空手をしっかり表現したい」との思いを胸に、頂点に立った。
21年東京五輪男子形覇者の喜友名諒さんら偉大な先輩の背中を追う。27歳の尾野は昨秋に世界一を逃してから「日本の形は表彰台の一番上にいなければいけない」と言い聞かせて鍛錬。この日は食事が喉を通らないほど緊張したというが、意地を示した。
空手は初採用だった東京大会を最後に五輪の実施競技から外れた。「また五輪に戻りたい。みなさんに魅力を伝えていければ」。自国開催で大きな声援を浴び、新たな決意も抱いた。


