女子が男子に勝った。産業能率大学が18日、神奈川県伊勢原市の湘南キャンパスで小学生のビーチバレー大会「SANNO

 CUP

 2014」を開催し、今夏全国大会に出場したSAMURAI-LEGEND(以下=SL、座間市)が初優勝した。

 決勝では、同じ全国大会男子でベスト16入りした強豪の石田JVC(以下=石田、伊勢原市)と対戦し、異例の全国大会出場チーム対決というハイレベルなプレーが繰り広げられた。

 ビーチバレーでは「女子」が一枚上手だった。160センチ以上の“ビッグスリー”率いるSLは圧倒的な強さを見せつけ、21-11と圧勝した。平均148センチ前後の石田を序盤からリードし、サーブやスパイクを正確に決めた。阿部優琴キャプテン(11=6年)は「ビーチでは絶対に男子に負けたくなかったです。優勝して、それが証明できて良かった」。一方、萩原正吾監督(39)は「優勝は素晴らしいこと」と祝福するも「選手たちは自分の気持ちを全くコントロールできていなかった。あせりを感じ、これでは全国では通用しません」と辛口評価した。

 勝敗を分けたのは「準備の差」だった。SLは今年7、8月に平塚市内のビーチバレー施設で週1日程度、練習した。萩原監督は「ビーチは、インドアではつかないインナーマッスル(深部の筋肉)を強化できる。ビーチ練習は間違いなくインドアにいきると思います」と説明。それを受けてか、SLは今年8月の「全日本バレーボール小学生全国大会」に出場するなど県を代表するチームにまで成長した。

 この日は、SLの総監督で元バレーボール日本代表の熊田康則氏(51)も駆けつけた。熊田氏は川合俊一氏、井上謙氏とともに「バレーボール界のビッグスリー」と呼ばれ、日本のバレーボール界をけん引した人物だ。

 同大会は今年で3年目を迎えた。産能大情報マネジメント学部2年の学生34人が「ビーチバレーの普及」を目的に企画・運営を行い、全23チーム207人が参加した。年々、参加チームのレベルが上がっており、将来的には全国大会を目指し、規模を拡大していく意向という。大会実行委員会代表の大多和奈岐さんは「反省点もありましたが、参加者の方に楽しんでもらえて良かったです」と、疲れ切った表情で語った。