北京オリンピック(五輪)のカーリング女子1次リーグは終盤に入った。

15日の英国戦に敗れて2連敗となった日本のロコ・ソラーレは4勝3敗の3位に後退し、10カ国中上位4カ国が進む準決勝に正念場の残り2戦を迎える。16日に世界ランク6位の米国、17日の同2位のスイス戦での勝敗の鍵は何か。

英国戦後にスキップ藤沢五月はこう見通した。

「スイープがよく効くアイスだったので、それを生かすような試合を明日以降しなきゃいけない」

スイープとは石を投げた後に氷をブラシで掃く行為。それによって距離や曲げ幅を調整している。氷上にできたペブルというでこぼこをブラシでこすって摩擦を減らして石を動かしていく。感じた氷のクセから、スイープこそが鍵になると感じていた。

「クレイジースイーパーズ」

日本で主にスイープを担うリードの吉田夕梨花とセカンドの鈴木夕湖は、外国勢からそうニックネームをつけられている。

クレイジーなほどスイープができるコンビ。幼少期から遊び友達の2人にとって、それは称賛の命名だ。

1試合でスイープする長さは約2キロにもなる。持久力に力も必要。掃き終わった後に肩で息をする姿もよく見る。他国のリード、セカンドは大きな体の選手が多い。対して吉田夕は152センチ、鈴木は146センチと日本の平均と比べてもかなりの小柄だ。ただ、そのスイープ力は本当にすごい。

英国戦後にそれぞれが誓った。

鈴木「あと予選2試合になってしまったんですけど、まだ全然チャンスはありますし、本当にオリンピックは4年に1度しかありませんし、このメンバーで来られるのもほんとに最後の可能性もあるので、ほんとにみんなで楽しく私たちらしい試合をして、勝っても負けても後悔のないような試合をしたいと思っています」

吉田夕「今日よりも明日全員が良い状態、心地よい状態でいられるように今日はしっかり休んで、明日までちょっと時間が空くので、体と心と頭としっかり休めて明日に挑みたいと思います」

さあ、「クレイジースイーパーズ」の出番だ。

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<リード>

吉田夕梨花(よしだ・ゆりか)1993年(平5)7月7日、北海道北見市生まれ。医療法人美久会。5歳から競技を始め、得意技はウィック(ガードに軽く当てて、シート中央を開けてコースを作る高等技術)。狙った時は「ゆりかタイム」と呼ばれる。性格はきちょうめんでコツコツ派。ロコ・ソラーレの結成当時からのメンバーで、当時は17歳だった。リードは14-15年シーズンから。座右の銘は「継続は力なり」。愛称「ゆり」。152センチ。

<セカンド>

鈴木夕湖(すずき・ゆうみ)1991年(平3)12月2日、北海道北見市生まれ。7歳から競技を始め、多彩なショットが持ち味。一投で相手の石を2つはじくダブルテークアウトは見もの。ロコ・ソラーレのオリジナルメンバー。趣味の1つはオカリナで、始めて3年ほどで得意曲は「ちょうちょう」。今大会前には「風景のきれいな場所で、オカリナを吹きたい」と語っていた。座右の銘は「百聞は一見にしかず」。愛称「ゆうみさん」。146センチ。