日本のカーリング界にとって大きな勝利。素晴らしい試合だった。良かったのは藤沢のショット。第5エンド(E)の4点は、2投続けて完璧なショットを決めてのもの。大量失点をしない安定した試合運びが持ち味のスイスから大量点を奪えたことで、その後の展開が楽になった。先攻で迎えた第9Eも藤沢のショットが冴えた。きれいにダブルテイクアウトショットを決めて、最少失点に抑えることができた。

前日スイスに敗れたところから、1日にして変わった。藤沢の思い切りがよかった。決断が速かった。これまでなら迷う場面もあったが、準決勝ではほとんどなかった。いろいろと意見が出ても、自分の考えを通していた。それだけ、自信もあったのだろう。見事なスキップぶりだった。

金メダルを争うのは、平昌五輪3位決定戦で破った英国。準決勝進出の仕方といい前回からの因縁を感じる。相手は強い思いでくるはず。それに打ち勝ち、歴史を作ってほしい。1次リーグで9試合を戦い、さらに準決勝から2試合戦う4チームは、相当疲労もたまっているはず。ただ、ここまで努力を積み重ねて決勝にたどりついた日本なら、いい試合をしてくれると思う。(98年長野五輪スキップ)