フィギュアスケート男子4位の羽生結弦(27=ANA)が2日ぶりに当地で練習した。

前日は静養。この日は登場するや、いきなりトップスピードで氷上にエッジの軌跡を描き始めた。開始8分で日本選手団のジャージーを脱ぐと、携帯電話を片手にリンクサイドの音源担当者ブースへ。いきなりの曲かけで流したのは16-17年シーズンのショートプログラム(SP)曲「レッツ・ゴー・クレイジー」だった。

米歌手プリンスのロックナンバー、エレキギター音に乗って超ノリノリ、超キレキレのステップをハイテンションで披露。代名詞のハイドロブレーディングも決めた。

トリプルアクセル(3回転半)などを跳んだ後、再び曲かけ。今度は、初めて金メダルを獲得した時の14年ソチ五輪SP「パリの散歩道」を舞った。4回転トーループ、4回転トーループ-3回転トーループも着氷。最後は右の拳を突き上げて場内の拍手を誘った。4回転サルコーも美しく決めた。

さらに3回目の曲かけでは、新型コロナ禍から前を向く願いを込めた20-21年のSP「レット・ミー・エンターテイン・ユー」を演じた。3曲すべてロックナンバーでそろえ「特に何か意味があるわけではないですけど、今までのプログラムを今やったらどうなるのかなって。見ていただけるのであれば、練習かもしれないけど自分も楽しんでいるので、見ていただけるものは見ていただきたい。今日は楽しいものを詰め込みました」と満面の笑みだった。

前回18年平昌五輪まで2連覇の羽生は、今大会のショートプログラム(SP)で8位。迎えたフリーでは前人未到のクワッドアクセル(4回転半ジャンプ)に挑戦し、回転不足で転倒はしたものの、世界初の認定を受けた。

最終日20日のエキシビションに出演予定。右足首を捻挫している状態だが、痛み止めを服用しながら練習を重ねている。【木下淳】