昨夏のバスケットボール男子ワールドカップ(W杯)日本代表の渡辺雄太(29=グリズリーズ)が22日、WOWOWのNBAプレーオフ中継にゲスト解説として生出演した。出演後に同局のインタビューに応じ、パリ五輪への思いや、富永啓生や河村勇輝ら日本代表メンバーとの交流について語った。

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-今夏のパリ五輪ではフランス、ドイツといった強豪と同組に入った。個人的目標は

「チームの目標はこの間、トム(ホーバス監督)がベスト8を目指すと発表した。今の僕たちにとっては良い目標だと思っています。ドイツもフランスも強豪ではあるのですが、正直言って、五輪でどの国と対戦してもどの組に入っても変わらないです。ただ、開催国のフランスと対戦できるのはうれしい。お客さんも満員になると思うので、完全アウェー状態の中で五輪を戦えるのはすごい楽しみにしています」

-日本代表が五輪で勝ち進むために一番大切なことは

「対戦相手を考えるより、まず自分たちが練習でやっていることをいかに試合で出せるかが大事。相手の方が強いのは分かっているので、玉砕覚悟で自分たちが得意とする、速い展開から3点シュートを打っていく。それを高確率でしっかり決めることができれば、どの国相手でもしっかり戦えるのではないかと思っています。めちゃくちゃ楽しみです」

-日本代表でチームメートの富永啓生選手は、どのような選手か

「シュート力に関しては、すでにNBAの中でも上位クラス。それぐらい彼のシュートはよく入ります。今季ネブラスカ大で彼の持っているものがより開花したと思っています。バスケットって結局いろいろ言われますけど、シュートが入る人はかなりチームから欲しがられます。そういった意味では、NBAでやっていけるものは持っていると思います。僕の時もそうでしたが、周囲からいろいろな意見が出てきます。僕は自分自身を信じてやってきた結果の6年なので、彼もあまり周りの声を気にせず頑張ってほしい。日本に帰国することを発表した後に彼とは連絡をとって、『お疲れさまでした』と言われました。僕からは、まずNBAのベンチに入って、僕の6年間なんて軽く超えてくれ、と伝えました。チームメートとしても、友人としても、そしてNBAで多少なりともやってきた先輩としても、彼のことをすごく応援している。僕はあまりいろいろ言わずに彼がやっていることを信じて黙って応援していこうと思います」

-日本でプレーすることを発表した。その後、日本代表メンバーから連絡はあったか

「何人かから連絡をもらいました。(富樫)勇樹とはそのずっと前に言っていたので、改めて連絡をもらいました。あと、河村(勇輝)からも連絡をもらいました。彼はすごく真面目と言うか、すごく良い性格をしていて、本当に良い子です。『自分なんかが雄太さんのことをすべて知っているかのように連絡するのはおこがましいかと思ったのですが』みたいな感じで始まっていた。そんなこと気にせず、去年あれだけ一緒に頑張った仲なんだからという感じで返しました。それで、『NBAでの6年間すごかったです、お疲れさまでした』と言ってもらえてうれしかったですね。昨年に日本代表でプレーして、本当にすごく楽しかったので、またこの夏にあのメンバーたちと一緒にプレーできると考えたら、それだけで今からワクワクします」

-来季はBリーグで、日本のファンにどういったプレーを見せたいか

「僕らしいプレーを見せていくのが1番だと思っています。あまりいろいろ考えず、僕が今まで経験してきたことを、そして僕が今まで得てきたものをコートに出していきたい。本当に楽しんでバスケットがやれたらと思っているので、お客さんが楽しんで、『渡辺選手はいつも楽しそうにプレーしているね』みたいなことを言ってもらえれば、自分としてはうれしくなると思っています」

-Bリーグに対する印象は

「すごく魅力あるリーグで、人気も実力も上がってきています。僕もその中に入っていって、携わっていきたい。日本のバスケを盛り上げたいのは、僕を含めて多分みんなが思っていること。これからは日本でしっかりやっていきたいと思っています」

-11年ぶりの日本での生活で楽しみにしていることや、やりたいことは

「日本に帰っても、僕の生活リズムは変わんないだろうと思っています。基本的には引退するまで、バスケ漬けの生活になると思っています。日本食は本当に大好きなので、日本食がいつでも食べられる環境があるのは、自分の中で一番大きいですね」