日本初の“200キロリフター”が誕生した。男子107キロ級の中辻克仁(49=日鉄住金環境プラントソリューションズ)が日本新記録の200キロに成功。自身が昨年9月に挙げた198キロを2キロ更新し、ついに大台に到達した。

「重量はコーチ任せ。自分は何キロか知らなかった。挙げてから分かりました。長い時間がかかりましたね」と感慨深げだった。17年12月の世界選手権(メキシコ)で2度、昨年10月のジャカルタ・アジアパラで1度、200キロを挙げているが、ジャッジに不成功と判定された苦い経験がある。それだけに1度バーベルを落とした時の胸前での止め、両肘の揺らぎなどに細心の注意を払いながらトレーニングを積んできた。

この日の試技は1回目の189キロ、2回目の196キロを含めた3回すべてで3ジャッジが成功の白ランプをつけるパーフェクトだった。「日本のジャッジも厳しくなっている。日本で(成功を)取れれば、世界でも取れる」と自信も重量とともにアップ。今後の照準は7月の世界選手権(カザフスタン)になるが、「200キロオーバーを狙っていきたい。できれは210キロを。来年の東京パラリンピックまでには215キロないと厳しいですから」。たくましい逆三角形の上半身と同じくらい、口にする言葉も力強かった。【小堀泰男】