女子WH1-2(車いす)で、里見紗李奈(21=千葉、NTT都市開発)山崎悠麻(31=東京、NTT都市開発)組が2連覇を飾った。

1次リーグから準決勝まで3試合6ゲームを戦って失点はわずかに23点。決勝では日本代表のチームメート、福家育美(34=滋賀、ダイハツ)小倉理恵(33=埼玉、ブリヂストン)組に2-0(21-21-16、21-13)で快勝した。

第1ゲームの立ち上がりに1-5とリードを許したが、6連続得点で逆転すると最後まで流れを手放さなかった。力強く正確なショットで揺さぶり、ギャップを突いてカット、ドロップショットを落とす。世界ランキング、東京パラリンピック・ランキングでともに1位をキープする里見、山崎組に対して、福家、小倉組も両ランキング4位。日本一決定戦でワールドクラスのマッチアップが実現したが、女王ペアの安定感が際立った。

2年連続シングルス、ダブルス2冠の里見は「ダブルスは悠麻さんと組んでいるから大丈夫と思っていて、安心して笑顔で戦えました」。シングルス5連覇、ダブルスで4度目の頂点に立った山崎も「2人でやれるからお互いに緊張せず、楽しく戦えます」。揺るぎない信頼感が絶妙なコンビネーションを生んでいる。

車いすダブルスでは珍しい、状況に応じてポジションを自在に入れ替えるローテーションが持ち味。東京パラで金メダルを争う中国勢対策として、バリエーションと精度アップにも取り組んでいる。「2人の武器を増やしていきたい」と山崎が言うように、この日は里見が初めてバックハンドのサーブにチャレンジし、ロング、ショートとも正確なコントロールで連続得点に結びつけた。世界1位の座に安住することなく“ゆま・さり”は進化を続ける。